永遠平和のために カント 池内紀・訳より その3

・戦争それ自体は、とりたてて特殊な動因を必要としない
 名誉心に鼓舞されて戦争は起きる
 現実主義者によれば、人間の本性からして
 永遠の平和を求めたりしない
 人間の(こればかりは根絶できない)無節操

・厳密にいうと民主制は必然的に専制になる
 というのは民主制の行政権のもとでは
 1人(同意しない者)がいても全員の賛同とひとしく
 その結果として、全員ではない全員が決めていくことになる

・隣合った人々が平和に暮らしているのは
 人間にとってじつは「自然な状態」ではない
 戦争状態、つまり敵意がむき出しというのではないが
 いつも敵意で脅かされているのが「自然な状態」である
 だからこそ平和状態を根づかせなくてはならない

<ススキを見ると秋を感じますね>