島国根性 (出田阿生) より

「私は今、人権活動家の話を聞いているのか?」
何度もそう思った。そして島国根性が恥ずかしくなった

パリ同時多発テロから1か月たった昨年12月
ベルギーを訪れて政府関係者と会ったときのことだ

首謀者はイスラム過激派に傾倒したモロッコ系ベルギー人とされる
そんな若者の過激化を防ぐにはどうすればいいか
その問いに、テロ対策を担う危機管理センター担当者は
「教育を充実させること」と答えた
連邦政府副首相も「教育への継続的な投資が重要だ」と話した

「今後、中東からの人々の流入を止めないのか」という質問には
別の政府関係者が「テロリストは現在の難民ではない
移民の2世、3世だ。だからこそ教育や失業の対策をしなければ」

軍や警察を増員する治安対策だけではテロの根絶はできない
きれいごとではなく、それが体験なのだろう

翻って日本では、昨年の難民申請7586人中、認定は27人
シリア難民を「偽装」だとする「そうだ難民しよう!」という
イラストが物議を醸した

首相は「テロとの闘い」を連呼している。誰と闘うのだろう
テロ事件の容疑者が生まれ育った地区で聞いた
「大事なのは若者が未来に希望を持てるようにすること」
という言葉が耳に残る

<ジンチョウゲのつぼみがありました>