偽りの種子 遺伝子組み換え食品をめぐるアメリカの嘘と謀略 その2

ジェフリー・M・スミスより

ラウンドアップレディー(モンサント社の登録商標)
と呼ばれる遺伝子組み換え大豆についての
研究もあった

この大豆はモンサント社の
ラウンドアップ(モンサント社の登録商標)
と呼ばれる除草剤に対して耐性を持つよう
遺伝子操作されている

この様な除草剤耐性作物を用いることで
農家は作物の成長期に畑に数回除草剤を
まくことができ、雑草取りは楽なものになった

ラウンドアップ除草剤とはモンサント社の
グリホサートの商標名であり
除草剤では世界一の売り上げを誇る

その専売特許は2000年に失効することになっていた
それによる市場占有率における莫大な損失を防ぐため
モンサント社はラウンドアップレディー作物を
開発・導入したのである

今では遺伝子組み換え種子を農家が買う時には
モンサント社の銘柄もしくはモンサント社から
認可を受けたところのものしか使わないという
契約書にサインしなければならない

ラウンドアップレディ—大豆と通常の大豆との
重大な違いをいくつも明らかにしている

まず,灰分、脂質、炭水化物の含有量に顕著な差異が見られる
さらにラウンドアップレディ—大豆の餌は
「トリプトシン阻害物質を多く含み、アレルゲンになる可能性がある」

この成分の増加はラウンドアップレディ—大豆が流通する
ようになった直後から、イギリスで大豆にアレルギーを示す
人の率が大きく跳ね上がったことの説明になるかもしれない

さらに遺伝子組み換え大豆を食べた牛から搾られた牛乳は
脂肪分が通常の牛乳と比べ、はるかに多く
これまた2種類の大豆の差異をいっそうよく示すものだといえるだろう

遺伝子組み換え食品の安全性に関する正式な研究の中には
以下に列挙する様な研究結果も見られた

専門家による審査のない学術雑誌で発表されたある研究では
人間とサルの消化管からとった組織サンプルがそれぞれ
試験管の中で遺伝子組み換えトマトに反応した

アメリカで生育された遺伝子組み換えトウモロコシに関する
ある未発表の給餌実験では遺伝子組み換えトウモロコシを
食べたニワトリの死亡率が上がった

遺伝子組み換え食品と組み換えされていない既存の品種の
栄養価を比べた研究によると両者の間には明らかな違いが見られた

遺伝子組み換え食品が新たなアレルゲンとなる可能性を
示す研究もあった

大きな論議を呼んでいる遺伝子組み換えウシ成長ホルモンの
研究では、有害事象を示すデータが明らかに割愛されていた

そのほか、イギリス議会に提出された、あまりに不十分なデータであると
プシュタイにショックを与えた先の研究発表などのように
企業が独自に進めた研究もある

研究内容がこれほど貧弱であるにもかかわらず
遺伝子組み換え食品は、アメリカでは食生活の大きな割合を占めている

例えば2003年に全米で栽培された大豆のおよそ80%と
トウモロコシの38%は遺伝子操作されたものであり
その2つから作られた製品は加工食品の約70%を占める

食用の綿実油として利用されている綿の70%と
カノーラ油として使われるナタネの60%も遺伝子操作されている

これらの作物のおよそ75%が強力な除草剤をまいても
影響を受けないよう遺伝子操作されており
17%が殺虫剤を作り出すよう遺伝子操作されている
また8%がその両方の性質を持つよう遺伝子操作されている

遺伝子組み換えカボチャや組み換えパパイヤ、そして
それ以外にも何百種類もの食品が、遺伝子操作された素材を使った
調味料や添加物、酵素などを用いて作られている

遺伝子組み換えウシ成長ホルモンを注射された牛からとった
牛乳から作られた乳製品もある
これらはすべて遺伝子組み換え作物であるというラベル表示もせずに
売られているのである(訳注 日本では1部の食品に表示義務がある)

アメリカでは遺伝子組み換え製品に対する規制がとてもゆるく
市販前の安全性試験も必須ではない
遺伝子組み換え食品が重篤な健康問題を生みだすかどうかを
判断する手立てはないのである

人々はつねに、病気になってもそれが食べ物のせいなのか
殺虫剤のせいなのか、はたまた空気汚染や水質汚染のせいなのか
つき止めることはできない。原因はうまいこと隠されたままなのだ

「ニューヨーク・タイムズ」紙の2001年3月の記事によると
「アメリカにおいて食べ物が原因の疾患は、ほんの7年前に
研究者たちが考えていた数値の、今や2倍にも上ると
疾病管理センター(CDC)は述べている

食べ物に関係する疾患の少なくとも80%は研究者たちが
特定するできないウイルスやその他の病原体によって起こっている」という

アメリカでは食べ物が原因で年間5000人の死亡、32万5000人の入院
そして7600万人の疾患が報告されている
この増加はアメリカ国民が遺伝子組み換え食品を食べはじめた時期と
ほぼ一致する。加えて肥満も急激に増加している

1990年には人口の15%以上が肥満の範疇に入る洲などアメリカにはなかった
ところが2001年にはその範疇に入らない州は1つだけになってしまった

糖尿病の罹患率は90〜98年に33%も上昇し
リンパ腺ガンやその他多くの疾患の罹患率も上がってきている
これは遺伝子組み換え食品と関係があるのだろうか?
誰も調べようとしないため、われわれにそれを知るすべはない