生野照子・山岡昌之・鈴木真理(編)
・いじめの構造
「いじめ」を成り立たせている基本的人間関係は二者関係、三者関係です
要するに自分を含めるその二者、三者の関係の中で比較してみて
どうにもこうにも自分の前にある壁のようなものを乗り越えることが
できないと分かった時、方向を失ったエネルギーが暴発する
比較の淵にのめりこんで、比較地獄の世界に次第に入っていく
やがてそれが嫉妬地獄を誘発する
その嫉妬地獄に重なって、いつの間にかエネルギーが貯まってきて
それが外に排出されると暴力の発動ということになる
言葉の暴力になったり、力の暴力になったりする
「ひとり」であることの「個」というものがしっかり確立していると
比較することは必ずしも嫉妬地獄にはならないのですけれど
「個」のない人が暴走すると、他人を排除したり支配することで
自分の優位性を際立たせようとするのですね。
ということは、いじめる側も関係性を武器にするし
「いじめ」られる側も関係性で押しつぶされるということでしょう