リベリアで元サッカー選手が大統領に当選

ジョージ・ウェアさん(51)が高校を正式に卒業したのは10年前のことだ。
西アフリカ・リベリアで過ごした少年時代は貧しく、放課後に菓子を
売り歩いて家計を助けたが、学業を続けることはできなかった。
だが、彼は「ジョージ国王」と呼ばれるようになる。

サッカー界の名将ベンゲル監督に見いだされ、欧州の名門チームで
抜群の存在感を示した。
自陣内で拾ったボールを1人で80メートル余もドリブルで運び、そのまま
ゴールに突き刺したこともある。
国際サッカー連盟の最優秀選手にも選ばれ、「キング」と称された

しかし2005年に母国の大統領選に出馬した時に投げつけられたのは
「まともな教育も受けていないじゃないか」との言葉。
だから高校に入り直し、学位や修士号も取った。
そうして大統領選に挑み直し先日当選を果たした。

鮮やかな逆転ゴール・・・ではあるが、リベリアの現実はあまりに厳しい。
14年間続き、27万人が殺された内戦。
4,800人余の命を奪ったエボラ出血熱の流行
ウェアさんがそうだったようにまともに学校に行けぬ子も多い。
その国をどう立て直すか

「サッカーのいいところは、うまくいかない時に非難を一身に受けるのは
監督というところ」とは名ストライカー、ゲーリー・リネカー氏の言葉。

かつての名選手ウェアさんは、一国の監督としてキックオフの時を迎える。