このプログラムは2003年頃に全国で子どもの連れ去り事件が
多発したため開発しました。
それまでは入学前の保護者の不安はいじめ問題でしたが
この頃から子ども同士のいじめより、
通学路の大人からの被害の方が心配になりました。
入学前の年長児に保護者が言葉で「気をつけなさい」と言っても
なかなかうまく伝わらないものです。
そこで、ロールプレイで練習することにしました。
さまざまなシチュエーションで
最初はスタッフがやって見せて、次にやりたい子どもが
前に出てきてロールプレイをします。
中には恥ずかしがる子もいるので、無理強いはしません。
でも、友達が楽しそうにやるのを見ている内に
いつの間にか全員がロールプレイに参加することもあります。
この年齢の子どもには言葉で説明するよりも
友だちのロールプレイを見たり自分が体験したりすることで
自然に理解し覚えることができます。
大事なことは子どもを怖がらせたり、脅かしたりしないで
楽しく安心できる環境で皆と一緒に学ぶことです
実際の被害が起きる前に子ども自身が知っておくことで
未然に被害を防ぐことができます。
これは当会のいじめへのスタンスと同じで
予防原則が重要だと思います。
なぜなら被害を受けてしまった子どもの心の傷は
どんなに丁寧にケアしても元通りにはならないからです