限られた命

筋ジストロフィーの息子さんを持つお父さんと出逢った。
この難病は、治療方法がなく、足から順番に筋肉が萎縮していく病気らしい。
最後は心臓の筋肉が萎縮して死んでしまう。

だいたい、5歳で発病し、10歳で歩けなくなり、20歳までの命らしい。

その方の息子さんは17歳と8ヶ月だった。

その子は、死ぬ時、今まで世話になった友人、先生、市役所の職員、いとこ、姉、両親に・・
ひとりひとり、手を握って「ありがとう」と言ってお別れをした。

そのお父さんはこう言っていた。
誰だって、限られた命、いつどうなるかわからない。だから、1日1日に「ありがとう」を言おう。と

そして、その子は最後に両親と姉に約束をして欲しいと願った。
それは、「人を傷つけるようなことはしないで。心で思っても駄目」と。

彼のニックネームは「にこにこちゃん」と言われるくらいいつも笑っていてひまわりのように周りを明るくする子だったらしい。

そんな彼の最後の願いを聞くと、なんだか、心が引っ張られて痛い。