ある母親が33歳の息子さんを連れて相談に来られた。
彼は、ふてくされたような表情で、
「夜勤あがりで眠い」と目をこすりながら、
結婚をしたい理由は、「世間体」と答えた。
そして、
「次回、来るときは、ひとりで来ていいですか?」と。
親と一緒にココに来ているのが、
”いい年をして、みっともない”と想っている感じだった。
そんな複雑な気持ちをかかえているにもかかわらず、
「よく来てくれた」と想った。
帰り際、そのお母さんが
「先日、一緒に来た友達の○○さんは、娘さんを連れて来られました?」
と聞かれたので、
「あれっきり、連絡ないです」と答えたら、
「”勇気を出して子どもに言おうね”って言ったのに・・。」と言われた。
このお母さんは、どのような想いでココへ息子さんを連れて来られたんだろう・・。
胸が締め付けられる感じがした。
人間は未完成のまま生まれてくるから、
生まれて9年間は、誰かの保護なしでは生きられない。
親が産んで育ててくれたから・・今、生きていられる。
世界で一番お世話になった人。
世界で一番心配してくれる人。
世界で一番大切に想ってくれる人。
耳には届かないけれど
「どうぞ、良い人と巡り逢えますように・・」と
祈りながら叫んでいる。
コブクロの歌じゃないけれど
「聞こえない”がんばれ”を何度もくれた人」なんだ。
この親の想いに心を添えて欲しい。
”恩”を忘れずにいて欲しい。
人は、必ず老いる。
そして、死ぬ。
順番どおりだと、親の方が先に逝く。
出来る限りの親孝行をして欲しい。
そうじゃなきゃ
その時が来たとき、
きっと後悔する。
後悔のない人生を送る為にも
親孝行という名の「しあわせな結婚」を・・・。