家庭教育学級で、心に残る先生からの質問〜

私は3人の子どもがいますので、小学校に親として 随分長くかかわってきました。
学校では 年に1度 家庭教育学級という お母さん向けの学びの機会があります。
何度か 参加をさせていただきました。

その中で 今も とても印象に残っている 講座があります。
講師は 大学の心理学の先生でした。まだ、コーチンとの出会いの少し前のことになります。

その先生は、親である私達に こんな質問をしました。

「僕はこの間、大学のロビーのイスで たばこを吸っていたんですよ。
そうしたら、ゼミの学生がやって来て、こう言いました。

『先生、ここは禁煙ですよ。ここに書いてあるじゃないですか。先生ともあろう人が
たばこを吸うなんて!!』

そう、僕は禁煙と知りながら たばこを吸っていました。
もし あなたが この学生だったら、僕に何と言いますか?」 と。

私は、その時は 正直言って 答えが思い浮かびませんでした。
禁煙の場所で先生が?悪いとわかっていて?
何て言えばいいのかしら・・・・

他のお母さん方も 答えが見つからない様子。
先生は その後で こう おっしゃっいました。

「その時 僕は亡くなった生徒の事を考えていたんですよ。たばこを吸わずにはいられない気持ちだった。
でもね、あんな風に 頭ごなしに責められては とてもその事を話す気持ちには
なれなかった。」 と。

「もし、学生がね、『先生がここで たばこを吸われるのは 何か余程の事情がおありだったんですか?』 そう言われたら 僕は 話ができたと思います・・。」

みなから、へぇーというような 声がもれました。
それを聞いた あるお母さんは、
「そんな事言ったって、無理だよねぇ」そんな声も 小さく聞こえてきました。

私達は、1つ1つのことをまず いい事か、悪い事か 評価をしています。
その相手が こどもだったら なおのことでしょう。いかがですか?

その時、私達は 本当に自分のこどもを信じているでしょうか。
評価をする前に、まず 話を聞いてあげようという気持を 持っているでしょうか。
自分の気持ちを 話す時間を 作ってあげているでしょうか。

その時間を持ってあげることを 私は大切にしたいと思っています。
伝えたい事は、話をじっくり聞いてあげたあとの方が 伝わりやすい事も多いです。