絵本作家、葉 祥明さん〜10歳の時の気持ち

詩人&絵本作家、また 素敵なメルヘンの世界を描くイラストレーター 
葉祥明さんの講演を聞く機会が ありました。

一見、厳しいおじい様に見えますが、とても純粋な温かい心を
いっぱいお持ちで、
言葉は 優しい愛がいっぱいでした。
葉さんは こどもの頃の話を聞かせてくれました。
こんな思い出があるそうです。

「10歳までは 好きな世界でいいんです。
ところが 僕が10歳の時、先生が突然
『今からテストをします!できた人から、外に出てもいいから。』
そう言ってね、算数のテストを始めてしたんです。

テストは55分ありました。
できの早い子は さっさとやって 遊びに出て行く。
次から次に・・僕は 最後の最後まで かかったんです。
そして、やっとできて、テストを出すと
先生は、こう言ったんです。
『みんなを呼んでいらっしゃい!』ってね。

まだ、あと8分も 時間は残っていたわけですよ。
僕は思いました。 「この世は厳しいな〜」と。

僕らしさは、ペーパーでは 測れない。
もうこれからは、ほどほどで 生きていこうと考えた。
外と内を 使い分けようと 思ったんです。

それから 僕は いつも教室の窓から 外を見て、空を 真剣に見続けました。
通知表に、先生からは こう書かれました。

「やればできるのに、注意散漫。」

そして 学年が上がる中3、高3、大学4年は 大変なことになるらしい・・・
じゃ、どうする? と考えて
大学を出たら、自由に生きるぞ!!と思っていました。」

その後、葉さんは 自分の書いた絵を出版社に 3ヶ月 日参して、
絵本作家として デビューしました。

10歳の葉少年の心。言葉。 たくさんのメッセージが聞こえました。
あなたは 何を思いましたか?

葉祥明美術館は 北鎌倉にあります。