家族が正直に話すこと、向き合うこと〜

NHK連続TV小説つばさ、9月で終わりましたが、
取り上げたかった話があるので、
最後に遅ればせながら 1話だけ。

(家族の会話より・・)

つばさのお母さんは お姑さんとぶつかり
子ども(つばさと弟)を置いて 家出をしました。
今 家に戻って1年が過ぎました。

姑「家をほうり出したあなたを 私は絶対に許せなかった。
私は 嫉妬していたのです。
自分が奪われていたものを あなたからも奪うことで
恨みをはらしていました。

私は初恋の人と引き裂かれ、痛みをあなたにも 味わわせたの。
子ども達を捨て 家を飛び出したあなたは 
2年半後、1度 戻ってきました。
もし、あなたが その時 打ちひしがれていたら、家に上がらせたでしょう。
でも あなたは 憎らしいほど、幸せそうだった。
だから 私は 意地でも敷居をまたがせなかったの。」
母「おかあさん・・」

つばさ(娘)「ううん、おばあちゃんじゃない。
あの時、お母さんを追い返したのは 私なの。
『こんな人 知らない』って 私は言った。」
母「2人のことは 愛おしかった。でもどんどん
大きくなって 戸惑うことが多くて 不安になったの。
私も お母さんみたいに 失敗してしまうんじゃないかって。
子どもを持ったのも 間違いだった気がして・・。」

夫「加奈子さんは いい母親だったよ。
子ども達が小さい頃は 寝る前に 毎晩絵本を読んであげた。
よく母さんの口ぶりを真似して 
魔女の台詞 言ってたっけ。」
つばさ「お母さん、魔女と仲良くなるハッピーエンド作ってたよ。
それって、おばあちゃんと 仲良くなりたかったっていう事じゃないの?」
母「そうかもしれない・・」
祖母「でも、私はその気持ちを 受け入れなかった。」
母「でも、母さんだって 精一杯 私を受け入れようと
してくれてたのよね。」

母「飛び出した私を バス停の横の
千手観音様が 優しく微笑みかけてきて、
私は 抱きしめられたみたいに 安らいだ気持ちになった。
そのうち 観音様の手が (家族)みんなの手に見えてきたの。
私が 何をやっても すぐ反対するお母さんの手。
私が 何をやっても 受けとめてくれる竹ちゃん(夫)の手。
こんな私に 抱きついてくれる つばさとともあきの手。 
母さんの手さえ、懐かしかった。
だけど 私はもう戻れない。
家族を捨てた罪を 一生背負っていかなきゃならないんだって 思った。

私にとって クマデを売り歩く旅は 
生まれ変わる巡礼みたいなものだった。
母さん 竹ちゃん つばさ ともあき・・家族全員が両手を広げた姿。
私が掃除したかったのは この中にある憎しみや苦しみだった。
家を出て 初めてわかったの。
私の人生が 上手くいかないのは 母さんのせいじゃなかった。
母さんのせいにしてる私自身が 問題だったってこと。」

祖母「もう1度 あなたとやり直せるなら・・・無理よね。」
母「私はこの1年 とっくに母さんとやり直し始めてるつもりだったけど。
本気でぶつかって 少しずつ 母さんと親子になれてきたような
気がするの。」
つばさ「おばあちゃんが お母さんのこと ちょっとずつ
認めてるのが そばで見て よくわかった。」
祖母「『認める』私が忘れてきたのは そのことです。
私は ひどい母親でした。
あなたをほめるかわりに けなして、押さえつけて
あなたに 苦しい思いばかりさせて、許してください。」
母「私 母さんが憎かったの。
いなくなれば いいって思ったこともあった。
母さんを消せないかわりに 自分が消えた。」
祖母「ごめんなさい。私さえ、ちゃんと あなたを受けとめていたら・・。」
母「でもね、どこまで逃げても やっぱり私は母さんのこどもなの。
母さんも どこまでいっても 私の母さんなんだから、許すも許さないもない。」
抱き合う家族・・

祖母「『お帰りなさい・』1年かかって やっと言えました。」
母「ただ今。」
祖母「よくできました。がんばりましたね。
あなたは十分 ずっと前から よくやってますよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家族が 正直に向き合うこと お互いを認め合うこと
愛情を伝える言葉の
素晴らしさを教えてくれた 話でした。
もう終わったけれど ありがとう♪ ありがとう♪

週末 ご家族で、楽しい時間を過ごしてくださいね。