落語と小噺の違い〜それぞれの面白さ

落語と小噺・・・
 
落語の演目に両方が盛り込まれていますから 一緒でもあり

ある噺家さんは、「世界で1番短い落語を知っていますか?」
答えは・・・「あのよ〜」
(この笑いが わからないと次に進めません・・・)
小噺を先に話しながら だんだんと本題の演目に入っていきます。

でも、落語よりも先に 江戸庶民に一気に広がったのが
小噺です。
同じようで 違いもあります。

・落語家さんは 扇子でお客様と自分とを 分けています。
 話す自分 聞いてくださるお客様
・そして 落語家さんは
 真打ち 二つ目 見習いという制度があって
 技芸を評価されます。
・落語の話しは長いので お稽古の積み重ねが 芸を磨きます。

・小噺は 短いので
 聞いたらすぐに話したり
 朝に本を読んで その日に話すことも 出来ます。
・江戸庶民の日常会話にも入って 親しまれ
 評価は無関係。 短くて 一緒に笑って それでおしまい・・・
 楽しむ、一緒に笑顔を交換できる 会話の中に在る言葉。 
 きっと江戸時代には 自然に会話の一部になっていたでしょう。

さて、9月に入って ICU留学生のJさんが
ボランティアに参加してくれています。
2年間 大学で学んだ日本語は もうぺらぺらで、短い小噺を覚えました。

今J さんが覚えて 話してくれた小噺

小噺その1【背の高さ】

弟:「あんちゃーん、背の高さを測ってあげようか?」
兄:「うん、頼むよ。」
弟:「手が届かないから ちょっと しゃがんでよ。」

その2【ネズミ】

弟:「あんちゃーん、おら ねずみ捕まえたよ。」
兄:「え〜ねずみ捕まえた?どうせ、お前が捕まえたねずみなんざ
 小さいんだろう?」
弟:「ううん、かごから しっぽが出ててね。大きいよ。」
兄:「え〜小さいよ!」
弟:「大きいよ〜!!」
って やっておりますと、中でねずみが・・・
「チュー」

お後がよろしいようで。(ここまで Jさんの台詞に入ってます。) 

もうお一人 新入会のびいるさんは
洒落を自分が作るのが 大好き。
短い創作小噺を 普段の会話にも どんどん突っ込んでくるのが
日常で 江戸庶民のよう。

それを自分が楽しみたいと、人の会話をよく聞いて 新聞を毎日読み、
言葉の由来を調べたり、ネタ帳を持ち歩いて
今日も 洒落を連発中。
まさに 平成の江戸っ子!?。座布団3枚!

一方で、83歳を越える よう三さん。(写真)
最近 一緒に小噺を楽しむ環境にいた中で
落語心に火がついて、ついに ボランティアに参加を始めました。
家には 落語の全7巻全集があったそうで、それを開いて
「次は 何をやってみようか・・・」

どうやって覚えているのかしら・・・と思うほど
長めに小噺(落語の内容です)を やってくれます。
座布団に座るだけで、噺家さんのよう・・・味わいがあります。
先日は、「橋の結婚」という演目を
聞かせてくれました。
いや〜楽しいお話!
結婚するのも橋。お客様も橋。聞いた事のある橋の名前が
いっぱい出て来ます。

というわけで、短い1分小噺が好きな人から
落語が好きな人まで 幅を持ちながら それぞれを活かして
また 来週ボランティアに出かけます。

団体の方向性は、短い小噺を広げて
笑いのすそ野を広げ鯛!ですが、
言葉が活きて それを話す人がいきいきしている点は
小噺と落語 似ているところだな〜〜と思うこの頃です。

毎日心元気に! あなたは どんな心元気にチャレンジしていますか?