桜の時期も だんだん終わりに近くなりました。
家の玄関に置いた 手のひらサイズの桜の盆栽は、
風に吹かれないので、花弁が落ちずに
まだ 可憐な花を見せてくれています。癒されます。
友人に教えてもらい 最近映画を2本見ました。
1つは「日々是好日」
物語は 大学生だった主人公が、何をして生きていきたいのか
答えが見えないで日々を過ごす中
ちょっとした母親の言葉から
親戚の一人暮らしのおばあさん宅に、月に1度お茶を習いに行くようになります。
お茶室の時には、和の心づかいと
掛け軸や器まで季節を感じられる空間の中で、
1人前の作法を身に付けるために 毎回同じことを繰り返します。
先生役の故樹木希林さんの言葉
「同じ時は1度もないのよ。毎回違うから」
違うことは・・・
前の自分と今の自分、その日庭から見える草木とお花、当日のお天気
選んだ掛け軸と茶器への思い
一緒にまなぶお仲間も 前とは違います。
そして 30代になり、お茶を続けて いつも同じことを1つ1つ繰り返している自分の中に
幸せがあることに気づきます。
もう1つは、「人生フルーツ」
87歳の妻と90歳の夫の日常の暮らしを描いたドキュメンタリー映画。
夫は建築家で、50年前にニュータウンの建設に関わり
その一角の平屋の家で 2人くらし。
庭には畑があって、たくさんの野菜やハーブ そのお世話もしながら
毎日収穫した物を ありがたくいただく お二人の日常。
余分に作ったお料理は お孫さんへ送ってあげたり
配れるように箱につめたり・・
闘いのない、土と植物と太陽と共にある平和な家庭の日常。
質素なのに あまりにも豊かで 幸せにあふれていて
涙があふれました。
2つの映画には、今私達が忘れかけている何かを
感じさせてくれます。
「私達は、一体 何を求めて 生きているのですか?」
「あなたにとっての幸せって なんですか?」
そんな問いかけが 聞こえる気がして・・・
※※ 東京では数か所 全国10か所で上映中です。
http://www.nichinichimovie.jp/
http://life-is-fruity.com/theater/
【お知らせ】
ホンマルラジオ 23回目がリリースされました。
ゲストは、日本江戸しぐさ協会から お二人が来てくださいました。
2回シリーズでの今回は、江戸しぐさって何?から、その始まりや考え方など
大切にしていることを お話いただきました。
以前、江戸しぐさに批判の声がありました。
歴史は口伝も文書も 曖昧さと語る者の意図を含んでいる
解釈です。 感じる事は人それぞれと思います。
ラジオ番組の中でお話を聞いて 江戸しぐさは
みんなが仲良く共生できるヒントがたくさんあって、
人として当たり前だけれど うっかりしそうな大切なことに
気づいたり
心豊かに生きるより所にも なるように思いました。
たくさんの思いやりしぐさがあります。
※知らないより、知っている方が 多くの人が和の心に
近づくことと思います。
江戸から語り継がれている会話に活きる小噺のように。
インターネットラジオは、クリックしていつでも聞けます。
「そよ風の笑いはここから 10秒小噺を話そう♪」
第23回 http://honmaru-radio.com/takano_mayumi0023/
前回から下の方に、創作小噺の投稿フォームを作ってみました。
初回からの分も、すきな時に繰り返し 聞けます。
http://honmaru-radio.com/category/takano_mayumi/
よろしかったら お時間ある時に聞いてみてください。
次回は、江戸しぐさの具体例をお聞きしました。公開は30日です。
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【では、小噺】をどうぞ
「たことうなぎ]」
ある日、たことうなぎが話をしておりますと
そこを通りかかりました侍の 脇差しのさや袋が 落っこちまして
たこ「お、これさ〜うなぎさん。私にくれないかな。」
うなぎ「え〜何すんだい?」
た「これねぇ、ももひきにしようと思って。」
う「よしなさいよ〜。あんた、足が八本もあるんだよ。それまとめて この中に 突っ込むのかい?」
た「いやさ〜、う〜〜ん そうか〜だめか〜」
う「そうじゃないよ。あたしにおくれよ。」
た「え〜うなぎさん どうすんだい?」
う「かば焼きの時のね、火事羽織にしようと思って。」
※この小噺は、桂右團治さんに教えていただきました。
「貧 乏」
泥棒が忍びこんで、家《うち》中を見て廻った。
箪笥《たんす》にも葛籠《つづら》にも着る物は一枚もなく、米櫃《こめびつ》に米はなく、
味噌桶には味噌がない。
見かけと違って、あまりの貧しさに夫婦を起して、
「気の毒だ」と 小銭をわたした。
夫婦は涙を流してよろこぶ。泥棒もいいことをしたと、久しぶりでいい心持になって
そこを出て、一、二町行くと、
「どろぼう、どろぼう」と亭主が追いかけてきた。
「恩を仇《あだ》の人でなし、ぶち殺してくれる」と立ちどまると、亭主が息せき切って、
「お莨入《たばこい》れがおちておりました」
※宇野信夫著 江戸の小噺
お後がよろしいようで・・・