キューバ報告① 医療・エネルギー編

スタッフの松木です。

2月に10日間お休みをいただいて、キューバという国に行って来ました。
今回はキューバについて報告させていただきます。

キューバというと、みなさんまず何をイメージされますか?

多くの方は野球、ダンス、共産圏、カストロ議長、キューバ危機といったところではないでしょうか。

実はキューバは、医療福祉、自然エネルギー、都市農業大国でもあります。

写真はファミリードクターの住居兼診療所です。

ファミリードクターとは、コミュニティごとにいて、担当のコミュニティの予防医療にあたる町医者です。各家庭に往診して、健康はもちろん、家の衛生面、家庭・近所問題によるストレス、若者のエイズの相談、お年寄りの生きがいサークルづくりまでサポートします。
コミュニティの健康こそが住民の健康につながり、予防医学が結果的に社会コストを抑えるという考え方です。
しかもキューバでは、医療費も、大学までの教育費も無料です。

医薬品などの物資が不足しているのに、平均寿命も乳幼児の死亡率も先進国と遜色ありません。鍼灸、指圧等の東洋医学、ハーブなどの薬草を研究し、伝統療法をうまく取り入れているのです。

医師になるための学問を受けるのも無料です。海外にも多くの医師を派遣し、優れた医療技術を提供しています。

ちょうど私が滞在していた時も、日本からの医師団が視察に来ていました。
マイケル・ムーアの映画『シッコ』でも、キューバの医療制度は取り上げられています。

右の写真は何をしているところかわかりますか?

政府は、各家庭の旧式の冷蔵庫・テレビを回収して省エネタイプの新品を格安で割賦販売し、旧式冷蔵庫のパッキングの交換もしているのです。蛍光灯も省エネのものが配給されるそうです。

写真は10ドル札の裏側。上に、REVOLUTION ENERGETICA(エネルギー革命)と
印刷されています。左には風力発電の絵もあります。

キューバでは、原発に頼るエネルギー政策を改め、徹底した省エネ、太陽熱や風力、バイオマスなど、自然エネルギーに力を入れるようになりました。「太陽は経済封鎖できない」という名言もあります。
そして、日本のように山奥に発電所を造って送電線で遠くの都会まで運ぶという非効率的(都市部に届くまでに大半の電気エネルギーは失われる)なことをやめて、小さな発電所を都市の近くに造るようにしたそうです。

そういった取り組みがお札の裏に表現されているのです。

さらにこのエネルギー革命のノウハウを、他の中南米諸国に広めています。
先進国ではエネルギー確保をめぐるナショナリズムが台頭してきていますが、
小さな島国キューバから学べるものは少なくないと思います。

次回は、都市農業編です。お楽しみに!