カナダの寄付戦略(前編)

スタッフのマツキです。
突然ですが、右の写真は何でしょう? 答えは後ほど

今市民活動センターでは、平成20年度のNPO補助金に対して各団体さんからの申請書が出揃い、受付カウンターで閲覧できるようになっています。

今年度も、初申請の団体もあれば、おなじみの団体さんもあります。ただ、補助金は全ての団体に永久に交付されるわけではないので、いずれは別の資金源を確保しなければなりません。中間支援団体としても重要なテーマです。

「日本には寄付文化がないから・・・」といったこともよく聞きますが、海外はどうなのでしょうか。

今日は、先日2日間滞在したカナダで見かけたユニークな募金箱をご紹介します。

右の写真はバンクーバー空港で見かけた怪しげなオブジェらしきもの。こんなのがあったら、まあ気になりますよね。「何だろう!?」って。
右のプレートには
“Your Generous Donation Helps Fund Local Charities”(あなたの寛大な寄付が地域救済の基金を支えます)と書かれています。

近づくと、上にコインの投入口があります。投入したコインが銀の円盤上を滑って下に落ちる仕組みです。ただ、四方に小さなプレートがあって、なんとなく(いや、どうしても)、そのプレート上に上手くコインを乗せたい衝動に駆られるのです。つい夢中になって1ドル分ほど遊んでしまいました。

飛行機の長い待ち時間と、両替しきれないコインを持て余している人が多い国際空港ならではかもしれませんね。私なら普通に街なかにあってもやりそうですが。
善意よりも遊び心をくすぐるこの募金箱は、たくさんの寄付を集めていました。

次はファミリーレストランの入り口で見かけた募金箱、というより、ガムのガチャガチャです。

が、上の部分には

写真のような主旨説明のポップが貼られています。

The James Fund
小児ガンで亡くなったJAMES君と同じ病気の子どもたちを支え、いちはやく治療法を見つけるための基金のようです。

1ドルコインを入れてガチャガチャを回すと、

ガムがボックス内の滑り台や小さな鉄琴(またこの音色が美しい)等の楽しいからくりの上を転がって、下の出口から出てくるというしかけです。

ファミリーレストランでガムをほしがるのは子どもでしょうね。そんな子どもを持つ親は、上の主旨説明を読んだら共感して、支援したいと思ってお金を出すでしょう。
ボックス内のからくり見たさにお金を出す人もいるかもしれません(はい、私です)。

2つの募金箱に共通しているのは、善意+αに働きかけているところだと思います。
少なくともこの2つを見る限りでは、寄付を集めているのは、「文化」というより、「戦略の巧みさ」ではないでしょうか。

じゃあ、こんな立派な募金箱を製作する資金をどうやって調達したんだ!?

それは謎です(%涙%) (後編へ続く)