14日・15日と、三重県の松阪市に行って来ました。
5月のCRM講座がご縁でつながった松阪の中間支援組織「Mブリッジ」さんの見学と、主催していらっしゃる「ソーシャルイントラプレナー養成講座」を受講するためです。

JR松阪駅から徒歩5分ほどにあるカリヨンプラザ。この3階にある松阪市市民活動センターをMブリッジさんが指定管理者として管理運営しています。1階は自主事業で運営しておられるコミュニティカフェ「ぴのまちカフェ」。

センター内に入ると、情報の見せ方、マッチングの仕組みなど、随所に工夫が見られます。箕面でも試してみたいことばかり。

「ソーシャルイントラプレナー養成講座」とは、企業の内部から社会の問題解決に取り組み、ビジネスとしても成果を上げる人「ソーシャルイントラプレナー」をめざす人たちのために、起業せずとも今の社会で働きながら「社会をうごかしていくコツ」を伝授する講座です。5回連続講座のうちの1回を単発で受講しました。
講師はGIFT−JAPAN事務局の玉沖貴子さん。講座には、三重県内で企業にお勤めの方が20人以上参加していました。

講座の中で、大手から中小まで、企業が社会問題解決に取り組んでる事例の紹介がいくつかありましたが、一番印象的だったのは、自動車メーカーのサステナビリティ・モビリティプロジェクト。新興国はクルマを売る市場としては魅力的ですが、化石燃料枯渇リスクや大気汚染、貧富の格差の深刻化等の問題を考えたときに、果たして持続可能と言えるのか。そこでクルマという「モノ」ではなく、「移動手段」を提供するという発想に切り替え、低所得者層でも乗れて環境にやさしい電車やバス、自転車シェアリング、カーシェアリングなどの交通モデルを新興国に提供しようとしています。エコカーを大量生産して売るよりもよっぽど根本からの解決に近付きますね。

また、ソーシャルイントラプレナーになるためのポイントのひとつとして、二つの視点と二種類のターム(言葉)を使いこなすことが必要とのことでした。先ほどの例で言うと、資源の枯渇や大気汚染問題といった、社会・環境問題解決の視点はもちろん必要なのですが、一方で、企業価値向上の視点も必要であるということですね。新たな顧客層の獲得や、他社との差別化などがそれにあたります。

社会変革の担い手のスタイルは、必ずしも自分で起業するだけに限らないし、多様であった方が良いと思います。起業はあくまで手段であって、もし企業内に留まりながら企業の資源を使って取り組んだ方が社会変革のインパクトが大きいのであれば、イントラプレナーを目指した方が良いでしょう。ソーシャルな視点を持った人が企業にいる方が、NPOにとってのメリットもたくさんありますし。
まだまだ新しい概念で、職場側の理解もないとなかなか難しいかもしれませんが、広まってほしいものです。この概念が広まれば、企業とNPOの協働はもっと進みます。箕面でも来年あたりセミナーやってみようかしら。

講座の後は、Mブリッジのスタッフの方々と講師の方と居酒屋に行って、三重の郷土料理をいただきながら、CSR談義に花を咲かせました。皆様、ありがとうございました。

11月に、Mブリッジの理事長をお招きして、NPOのためのスキルアップ講座を行います。また詳細をアップさせていただきますので、お楽しみに!