兵庫県知事選挙 202411 斎藤前知事再選とはいえ

兵庫県民&宝塚市民にもどっての知事選.
先の衆院選では国民民主の選択肢がなく,今回の知事選でも保守本流自民党の候補不在で,
端的に言うと「不名誉な選択」だった.


(1) 文書レベルの稚拙さ
例の元県民局長の告発文書(の前段階のメモなんだけど)は,文章レベルも客観性もレベルが低く,個人的にはメモ書きレベルのものが局長本人の意向とは別の次元で強制的に流出してしまった,と思う.兵庫県庁職員の文書能力をバカにしていて,本気で告発するなら文書として成立したレベルの文書がでてくるはず.

(2)空白期間
最初マスゴミフェイクメディアに流出し(3月下旬),その後,県庁内の公益通報窓口に本人が提出する(4月上旬)間に,空白期間が存在してしまった.そもそも順番が逆で,この空白期間に,斎藤前知事側は独自に調査に着手している.この空白期間の調査に対し,フェイクメディアは公益通報に該当し違反するという無理やりな解釈をあてはめている.
しかも,県庁公務のパソコンを使って,勤務時間中に作成した証拠はでてきた.普通の民間の常識なら,即日解雇でも妥当.

(3)辞任勧告と不信任決議の重みの違い
斎藤前知事は,一連の行為が,その真偽もふくめ,「不信任決議に値するか」を問い,斎藤前知事の価値観では「不信任決議に値しない」との主張.一貫している.
個人的には,斎藤前知事の黒があきらかになり,百条委員会で黒が確定したなら,不信任決議も妥当になると思う.
百条委員会の質疑はYouTubeでみたが,黒と確定できる質疑も証拠もない.
維新の県議の質問は,レベルが低くて,県民として見てられない.

(4)百条委員会を無視した議会の無謀
辞任勧告までは,県政に大混乱を招いた,とか,議会との関係及び県庁職員との関係において深刻な軋轢を生じさせた,などが理由・根拠になる.なので辞任勧告まではかまわない.
せめて,百条委員会の報告概要を先に出して,1つでも黒があったという事実認定があれば,不信任決議の大義もたつが,
再選後の現在(11月19日)において,黒の証拠はない.
多数派の自民系の勇み足というか,思慮不足が露呈してしまった.

(5)保守自民系候補の不在
いままで兵庫県政を多数派として担ってきて,ゴミメディアの踊り子になり,で,代わりの候補はいない.
いやいや,ありえないでしょ...

(6)マスゴミフェイクメディアの疑惑バラエティ番組
これが大阪なら,マスゴミフェイクメディアの疑惑バラエティ番組(報道ではない,バラエティお笑い番組としてみれば,まあ,ね)で押し切れたと思う.
そこは兵庫県,最後の防波堤的なバランス感覚があったと思う.

(7)私物化首長連の勘違い介入
10万票くらいは反稲村候補にはたらいたのでは.
宝塚市長は入らないでと思っていたが,表明の翌日に追加で名簿入り.惜しい...
神戸と芦屋が外れているのは妙.道理をわかってらっしゃる.

(8)SNSの草の根感がよかった
1人ぼっちの街頭演説から,素人感(角度が斜め,もう少し下から撮影したほうが格好良いなど)な動画がよかった.
マスゴミはSNS戦略部隊が斎藤陣営に入ったから,という解釈をしているけど,その事実はわからないけど,わざとここまでの素人感を戦略的にだしたのなら,すごい戦略家だ.
ありのままを,たまたまそこにいた素人が,スマホで撮影した,そこに真実があったと思う.

(9)キャリア官僚としての矜持
不信任決議は斎藤前知事にとって不名誉なことであり,個人的には不信任決議は不要だったと考えている.
この不要な不信任決議が,前知事にも県民にも不名誉な選択を叩きつけた.
個人的に最も印象的だったのは,「議会解散はそもそも選択肢になかった」という斎藤前知事の言動である.
多くの県議会議員が保身的言動をくりかえすなか,この段階で,格の違いがあきらかになった.
百条委員会での質疑では,斎藤前知事の主張は一貫しており,委員会メンバーの議員は憶測と噂ベースの質問を繰り返す.
机をたたいて「なにやっているんだ」がパワハラかどうかなんて,どうでもいい.
どこまでいってもグレーのままの議論だ.黒にはならない.

さて,個人的には,日本国民・兵庫県民の生活を守り,少しでも兵庫県の経済・雇用を改善できそうな,
選択肢がほしかった.
来年は阪神淡路大震災から30年.行政・NPO協働は兵庫県から始まったが,そのフロンティアスピリッツは忘れ去られ,
影も匂いも残っていない.
本当に残念だ.
悔しいな,という時期も10年くらい前はあったが,もう達観している^^

もうひとつ,不名誉な選択肢が残っている
(10)百条委員会の結論
委員長は弁護士キャリアがあったと記憶している.その弁護士の下品な癖が,自己弁護にはしらないか不安だ.
かといって,斎藤前知事返り咲きに日和って,曖昧な妥協も品がない.
こうなってしまったからには,最高裁の判事のような感覚で,「100%黒と判断できるか」を徹底してほしい.
「100%黒=不信任決議は妥当だった」という結論か
「黒と言い切れる事態は認められない=不信任決議は間違えていた」
の2択だ.
斎藤前知事は,議会を解散せず最悪の混乱を回避し,再選挙で県民の信託をえて,百条委員会の質疑も一貫,
と,筋をとおしてきた.

これは,どっちを選んでも兵庫県議会は信任を失う.チェックメイト.

※これらは読んでほしい

■前兵庫県副知事が語る「告発文書は、齋藤県政転覆のためだった」…キックバック、パワハラ内部告発、そして百条委員会の「深層」 週刊現代
https://gendai.media/articles/-/140869