塩竈ウォーキング(25)「浦霞醸造元㈱佐浦」

全国的にその名を知られる塩竈の地酒「浦霞」。その名は歌枕塩竈を詠んだ源実朝の歌からとられたそうです。
くるくる広場のすぐ前にあって、江戸時代からの蔵は夜になるとライトアップされ、もとまちの景観を引き立てています。
写真はミニチュアの浦霞(奥がホンモノ)。

創業が享保9年と280年以上の歴史をもつ蔵元とあって、ちょっと見ただけでもすごく古そうなレジがふつうに置いてあったり。
また、近代化されていない昔ながらの酒造りを守っているとあって、工場見学ルートなども特に用意されておらず、杜氏さんや工場の動きを見ての実施となるので要予約とのことです。

本物の酒を丁寧につくり、丁寧に売るというシンプルな心構えが、今日までの歴史をつくってきました。限定品を含め30種以上があるそうですが、まち研メンバーでもある渡辺さんに「おすすめは?」と聞くと、そんなものはないそうです。つまり、どんな時、どんな場所で、どんな人が、どんな味を求めているかによっておすすめは決まるもので、逆に言えばそのどんな場合にもこれ、という一本を出すことができるというバリエーションと本物のもつ確かさ。実際、塩竈を代表するフランス料理店「シェヌー」との共同企画で、ひと皿ごとにちがった「浦霞」を出す「フランス料理とのマリアージュ(結婚)」という夕食会を開いているそうです。

そのほか地元宮城大学の学生チームとの共同企画など、常に進取の精神に富みながら、日本の酒文化を見つめ、地元を中心に、その取り巻く様々な方から信頼される企業づくりを行っている佐浦さんです。

(コメント:門脇篤)