大場さんは80年代からインスタレーションをはじめ、山の中の誰も見に来ないようなところで制作を行ったりと、たいへん先鋭的な活動を展開されてきました。
私が大場さんの作品に衝撃を受けたのは、確か一昨年の仙台・青城ギャラリーでの個展だったと思いますが、ギャラリーに干草と納屋の一部をそのまま移設してしまったというようなインスタレーションで、その求心力やダイナミズムはちょっと類を見ないと思います。
何とも形容しがたいのですが、これこそインスタレーションだと思わせるもので、したがってどういう作品、ということを示すことができず、とにかくその場でしか表現したり、感じたりできないものをたくみに、かつ力強く表現できる、仙台圏ではたいへん貴重な存在です。

にもかかわらず、正当な評価を受けているようには全く思えません。
今回、こうして塩竈でその力を存分に発揮した作品を見ることができるのはたいへんな喜びです。
また、9月からは宮城県北部の温泉地・東鳴子でのアート・プロジェクト「アート湯治祭」でも作品を制作してもらい、紹介させていただく予定です。
単に何かを配置するようなものではなく、これこそがンスタレーション!という大場作品をぜひご堪能下さい。

(コメント:門脇篤