8月10日、東鳴子から塩竈までの約70キロをを三輪自転車「トライク」で走破、鳴子のうまい米と塩竈の塩とで「日本一うまいにぎり飯」を「制作」するという「アートライク”塩の道”」が行われました。このブログ上でもそのようすをリアルタイムで発信いたしました。
東鳴子から塩竈までを走破したのはアートライカー・小林輝之くん(東北大4年、トライアスロン部、西洋美術史専攻)でしたが、塩竈から松島まで小林くんを出迎えた塩竈アートライカーに東北文化学園大4年の大沼祐太郎くんがいました(写真左)。
この大沼くん、私・門脇が4月に仙台の定禅寺通りで行ったアート・プロジェクト「けやきに花を」のおり、特にアートに興味があるわけでもなかったが、なぜかはまってしまったと朝10時から夜10時までほぼ一週間、けやきに毛糸を結びつづけた若者です。
「アートライク」にもさそったところ、最初は東鳴子から塩竈まですべて走破すると思ったらしく、「ムリじゃないでしょうか」とか言っていたのですが、塩竈〜松島間のみと知り、ふたつ返事でOK。当日はトライクにギアがあるのを知らず、ずっとセカンドで走っていたため、「何であんなガタイがいいのに遅れるんだ?」ともっぱらの話題でした。
ところでこの大沼くん、「アートライク」前日の8月9日に確認の電話をしたところ、「いやぁ、カドワキさん、実はボク、今日からひとり旅に出てるんです」と意味不明の返答。
「明日のアートライクは大丈夫?」
「大丈夫です。ちゃんと時間通り行きます。ところでもう暗くなってきたんですけど、今日、どこか野宿できるところ知りませんか?」
聞くと彼はバイクで「ひとり旅」へ出ることにし、テントと寝袋を購入したばかりだといいます。近くのキャンプ場を紹介し(本当に近くだったので)、翌日はその野営地から彼はアートライクに参加したわけです。
(写真左端が大沼くん)
さて、こうして8月10日「アートライク”塩の道”」当日を迎え、ご存知のとおり、大成功のうちに企画は終了。大沼くんは朝まで飲んだ後、「いったん、家に帰って体制を整えます」と白々とあけ染めてきた朝日をバックに帰って行き、その後私もバタバタしていたために彼の「ひとり旅」をすっかり忘れていたわけです。
それは8月14日のことでした。「箱根にて」なるメールに右のような画像が添付されて届いたのは。
他でもない、大沼くんからのメールでした。
そう、彼はを着々と「ひとり旅」をつづけていたのです。
(コメント:門脇篤)