11月10日(土)スキルアップ見学in美山
この日は天気予報を裏切り「晴れ」。参加者22名はバスに乗り込み京都駅を出発したのでした。途中、トイレ休憩をはさみ(山の緑と少しだけの紅葉がとてもキレイでした)、まずは、茅場を見学。この日は留学生の歓迎ワークショップ(?)をされていたようで、鹿肉を豪快に焼いて晩餐の準備をされていました。(写真の女性は偶然にも参加者の同級生)
茅のツリーのようなものは「ニウ」といい、こうして茅を乾燥させるそうです。
雨が入らないように穂先をまとめるのが難しく、ときどき母国語(?)で何やらつぶやきながら作業されている様子がおかしかったです。
指導は茅葺き職人のブログでおなじみの丁稚サガラさんです
そして、国産材を使ったこだわりのおうちを見学。施工者でもある施主さんのお話はつきることなく、「この家は200年は持つ!」とのこと。仕事で人さまのおうちを作り、自分のおうちはあいた時間での作業なのでみちのりは長かったのではないでしょうか。その分、愛着はひとしおでしょうね。
次に茅葺き民家建設中の現場へ。建設中の茅葺き民家は茅葺き職人である塩澤実さんの経験の蓄積、そして茅葺きへの思いをすべて注ぎ込んだかのようなおうちです。美山では部屋を増築する際、茅屋根を下ろして2階を上げたという方が多くおられるそうです。一旦茅葺きをやめてしまうと元に戻すのは難しくなります。塩澤さんは茅葺き屋根のまま必要なスペースを確保できるように、吊り天井の上の空間をロフトとして活用することを考えられました。そのあたりの詳しいお話は「茅葺き職人のブログ」<http://www.kayabuki-ya.net/notebook/cat21/>をご覧ください。
都会では規制もあり、茅葺き民家の新築はかなわないかもしれません。昔の民家はその土地にある材料を使って建てられるのが普通でしたが、いろいろな事情で茅葺き民家は少なくなってきています。今の暮らしに合った茅葺き民家があれば、あらたな選択肢として「茅葺き」を選ぶ人もでてくるのではないでしょうか。
※写真は茅場にて解説をする塩澤さん(左)