伝統構法の町家改修技術を学ぶ連続講座−1−

11月17日に連続講座の4回めが無事終了いたしました。報告が遅くなりましたが、まずは第1回からご報告を。

奈良県をはじめ近畿に数多く残る町家・民家は耐震の面からも修繕、改修が必要になってきています。そこで、連続講座では大正年代に建てられた町家を教材として改修技術を学びます。

8月23日に行われた第1回は「ならまち」にある藤岡家住宅をお借りして講座が開催されました。教材となる町家の改修計画と意匠設計ならびに構造設計について藤岡建築研究室の藤岡さん、井手晃二建築研究室の井手さんにお話をうかがいました。

午後からは改修予定の町家を見学、途中、この町で生まれ育った藤岡さんから町のうつりかわり、町家のお話などを説明していただきました。その後、藤岡家住宅にもどり、意見交換が行われ、そこでは費用や木造建築の耐震性の問題など熱心な質問が多くだされました。

講座の参加者はスタッフもあわせると約60名。建具をはずした藤岡家の座敷は広く快適で魅力的な空間でひととき暑さを忘れることができました。また、通りに面したあげ床几は道行く人の注目を集めていました。

この日は元興寺の「地蔵会」と聞いて、寄り道をして帰りました。夕日にかわり、ろうそくの光がゆらめく頃には、熱く有意義な一日を振り返りながら、帰途につきました。—つづく—