13:00-16:00 2010.2.11〜14「紀寺借家 なおし展」
13、14日とスタッフとして参加しました。連続講座の素材となった伝統構法で建てられた借家。改築後の借家は江戸時代庶民の家には造れなかった“玄関”があるタイプ。古材と新材の組み合わせや縁側から見る庭も楽しい。
中に入ると廃墟のように朽ちている長屋にはトオリニワ(玄関から裏まで続く土間)があります。見学に訪れた人からは「懐かしいなぁ」「うちもこんな間取りやったわ」の声が聞こえてきます。
私が好きなのは、長屋から直角に突き出した角家(つのや)のあるタイプ。細いエントツが面白く、前庭に暮らしの豊かさを感じます。20年くらい人が住んでおらず、時間が止まったかのような一画が、息をしはじめた瞬間に立ち会えたことが光栄です。
今回、この企画は会にとって今までになかったカタチです。さまざまな思いがあり、さまざまな思いがすれ違い、事務局としてのかかわり方にも戸惑うこともありましたが、たくさんの方が紀寺を訪れ、何かを感じていただいたことが大切だと思います。(吉岡)
紀寺借家 なおし展
プロジュース・しつらえ…田中貴子、記録…原田純子、インスタレーション…東根康仁、散文・染め絵…松本健宏
藤岡龍介(藤岡建築研究室)