『つなぐ人』木工作家、ポチさんのこと

今日はある女性をご紹介します。
ポチさんこと戸田直美さん。京都東山のアトリエを拠点に家具をつくっておられます。
26日の朝、『LIFE〜夢のカタチ〜』という番組で戸田さんが紹介されていました。ベビーチェアの依頼を受ける戸田さん。どんな狭いところもすり抜けてしまう子どもを見ていて、赤ちゃんがじっと座っていられる椅子ってどんなのだろと悩まれます。それと同時にベビーチェアは椅子の寿命としてはあまりにも短いことも気になります。そんな時、一冊の絵本に出合います。それは「どうぞの椅子」(香山美子/作、柿本幸造/絵)。ウサギさんが作った椅子を大きな木のそばに置いたことから物語が始まります。椅子のうえでドングリが蜂蜜になったり、パンが栗の実になったりしていきます。それは、思いやりのリレーです。新たな役割を担った椅子に出合い、戸田さんは気持ちも新たに制作に取り組まれました。できあがったベビーチェアに座って大人と一緒に食事をする赤ちゃんの笑顔が印象的でした。赤ちゃんが大きくなると一体型のテーブルがはずされ、肘かけになります。さらに子どもが成長したら、次の出番までベビーチェアは部屋のすみっこにいて部屋にとけこむ家具になります。

戸田さんは注文を受けると、家であったり、お店であったり、実際にその家具が置かれる場所に行き打合せをします。その後、まず始めにとりかかるのがスケッチ。家の外観、家族の団らん…。絵にして、そこからイメージをふくらませデザインを考えていきます。私が一番印象に残ったのは、この場面でした。人を想う気持ちには「わくわく」があると思います。その「わくわく」を形にしていく戸田さんのものづくりの姿勢に感動しました。

ポチさんと(ひそかに)呼んでいますが、戸田さんは「ポチテック」というブランドを運営されています。「ポチ」は点。点と点、人と人、人とハコをつなぐものづくりを目指しておられます。番組を見ていて、戸田さんの活動はまさしく「つくる」こと「つなぐ」ことを実践されていることがスゴイ!と思いました。