比叡山延暦寺で第2期上級講座始まる

9月19日に比叡山の延暦寺会館で第2期伝統建築保存・活用マネージャー上級講座が始まりました。講座の開始にあたって永井会長は、武田五一が設計で曲線を書く時にT定規を手で曲げて描いたというエピソードを紹介し、独自の工夫を重ねることの大切さを受講者に訴えられました。

今期の受講者は10名です。この日から12月5日まで9回の基礎講座を受講し、自らが残したいと評価した建物について登録文化財申請の調査や歴史的町づくりにつながる活用提案を具体的に検討します。

また、第2期上級講座では、第1期の受講者がサポートスタッフとして参加しています。この日は、4名の方が石田潤一郎先生の講義と見学を援助しました。

午後からは武田五一が設計し、1919年(大正8年)に下村忠兵衛邸として建てられ、1927年(昭和2年)に延暦寺境内に移築された数寄屋建築を見学しました。

この移築は昭和大典に係る国家的事業として多くの人々が関わって行われ、部材は比叡山の山麓から延暦寺の現地まで人力で担ぎあげられたそうです。

明治後期から大正は日本の建築技術が大きく花開いた時期です。短時間の見学でしたが、受講者の皆さんも見応えのある建物に大いに満足されていました。(ひで)