大分県で全国集会3(水をめぐる)

全国集会の最終日は、朝に宿を出発し川野さんの案内で、原尻の滝、白水ダム、明正井路を見学しました。
原尻の滝は、竹田市のとなり緒方町にあります。川幅いっぱいに流れ落ちる水は、とても迫力があります。滝の落下口の巨大な岩、吊り橋、水中の鳥居などが独特の景観を作り出していました。山側に目をやると彼岸花のむこうに鳥居が見え、降りしきる雨が田園風景を情緒たっぷりに演出していました。

白水ダムは、石造りのダムで壁面を流れ落ちる水が繊細な模様を描き出し、その美しさは見あきることがありません。河床の岩盤の弱さをカバーするために緩やかな流れに造られているそうですが、「美しさ」を優先したものでない構造物がこれほどまでに美しいのかと驚かずにはいられません。

明正井路六連水路橋の名称は、明治から大正に至るまでの長い年月をかけて開鑿されたことに由来するそうです。開鑿を指揮した技師が2号橋の建設中に命を絶つという悲劇もありました。明正井路の工事は大部分がトンネル工事であり、硬質の岩盤に悩まされたそうです。

竹田には、その他にも円形分水など水にちなむ様々な構造物が点在しています。「水」は人々の暮らしにあって、とても重要なものであり、多くの先人の苦労や工夫の跡を見ることができます。水の大切さは今も昔も変わらないはずなのに実感が薄い現代の暮らしのあり様には潜在的な問題があるように思えました。先人の苦労に思いをめぐらすと同時に「美しさ」や「暮らし方」を考える旅でもありました。(よ)