「てりむくり」から考える未来

「てりむくり」をご存じでしょうか?
てりむくり…なんだか、おもしろい言葉ですね。
照り=そり、地に向かって描く弧。むくりは、天に向かって描く弧。
それが合わさって「てりむくり」という形になります。
門や昔のお風呂屋さんなんかでも見られる唐破風もてりむくり。

清水寺について、ある二人の会話。
A「清水寺の屋根はむくってるよね?」
B「いや、あれは、そってますよ」
実は、どちらも正解とも言えます。答えは、「てりむくり」なんです。
写真、わかりにくいですね。すいません。(駅貼りのポスターです)

相反する二つの形が一つになると、和をなし美が生まれる。
日本人の考え方を表しているといったら、言い過ぎでしょうか。
それにしても伝統建築を支えてきた職人さんの技はすばらしいですね。

毎日、何気なく行われている私たちの選択。
その選択の連続が、世の中を作っているのだとしたら、
その責任は大きいかもしれない。
…なんて、ガラにもなく真面目に考える春の日です。(ヨ)