10月27日に、会が事務局を担う京都市文化財育成実行委員会が主催するスキルアップ研修会が旧三井家下鴨別邸で開催されました。この建物は、明治13年に建てられ、大正14年に移築されたものです。昭和26年から、京都家庭裁判所の所長宿舎として使われ、その後しばらく無人だったこともあり、傷みもあります。平成27年度までの4年間をかけて修理を行い、その後に公開が予定されています。
当日は、27名のマネージャーが集まりました。まずは、参加者全員で庭のゴミ拾い、座敷の掃き掃除を行い、その後に京都市文化財保護課の石川さんの解説で、建物内を見学しました。続いて、今後の利活用についての意見交換が行われました。
参加者からの主な意見として「学びの場として学生や子どもに開放する/玄関部分だけを開放して外国人観光客の情報交換の場とする」などがありました。また「古建築ながら動線が確保されているので、企業の展示会や披露宴会場、迎賓館として使う」といった意見もありましたが、半面「建物のためには、人数制限も必要」という意見も出ていました。
糺の森の南端にこのような建物が佇んでいたとは驚きでした。糺の森を生かす活用を望む声も多く、お庭も含め、糺の森一体として、この貴重な財産を残すべく、じっくりと計画を練って、適切な改修、整備を行って欲しいというのが参加者一同の願いです。適切な保存・修理を考えれば制約が出てきてしまうのは当然ですが、制約にとらわれない自由な意見を聞きたかったと石川さんから説明がありました。そして、今後も議論の場を持ちたいとのことでした。(よ)