権座水郷コンサート(2006年)、農の収穫感謝祭(2008年)に続いて、にわかに権座が活気付いた「権座サポーターのつどい」には、酒や水郷に関心のある大勢のサポーターが大集結!!
当日の詳しい様子は「権座の会ブログ」にてご確認ください。
さて、今回はいわゆるアートイベントではありませんでしたが、でも、とっても「アート」な感覚に満ちた空間でした。その片鱗をご紹介。
まず、右の写真は、新酒『權座』お披露目の除幕式のために、地元の若衆が前日から一晩かけて考え抜いた力作。
トラックの荷台、公園の滑り台とぶらんこ、公民館の紅白幕、裏山の竹…。
「そこにあるもの」を組み合わせてつくられ、除幕の瞬間を待つオブジェ。
集落の裏山に生い茂る孟宗竹で作られた大徳利と、真竹で作られたお猪口。
地元の土と水が育てた米でできたお酒を、地元の土と水が育てた竹の器で、その地元の土と水の上でいただくという贅沢。
コミュニティアートの役割を「地域資源を再発掘し、その価値や課題を人々に劇的な印象を持って直感的に伝える」といったところに見出すとするならば、この「権座」という地においては、今回完成した「酒」そのものが、まさしく「アート」そのものだと思います。
権座という地域資源。
そこに育まれる自然の営み。
連綿と引き継がれる文化的景観。
風・音・空気・におい。
それを守り育てる地元住民とサポーター。
それらに思いを馳せてこの「酒」の味を醸し出した杜氏は、とっても優秀なアーティスト。蔵元はアートプロデューサー。
そして、この「酒」という作品を鑑賞(賞味)するサポーターの面々の実に満足げな表情といったら…。
コレ(酒)さえあれば、コトバはいらない。
コレを呑めば、たちまちゴンザが好きになる。
そんなアーティスティックな魔力を持った、非常にハイレベルなお酒です。コレは。ほんとに。
白王名物、100人大鍋。
給食センターにでもありそうな代物。
なんでこんなものがこんなところに?!
そこが、「地域」のオモシロさ。
そこが、「地域」のおくぶかさ。
「まあ、おいしいんだから、いいじゃないか。」
…どこからか、鬼太郎のオヤジの声が聞こえてきそうな、妖怪チックな物体です。
ご飯っていうのは、炊飯器で炊くものだと思っているアナタ!
おくどさんで炊いたご飯を食べたことがないヒトは、ニッポン人じゃねえ!!
と、いいたくなるぐらい、おいしいんです。
おくどさんで炊いた、お釜のご飯。
ほんとです。
え?
「おくどさん」を知らない?
そんなヒトは、琵琶湖博物館で日本の「地域」のことをしっかり勉強してきてくださいね。
写真は、やはり地元住民が即席で作った、ブロックと砂を使った簡易のおくどさん。
今度キャンプに行ったら、コレつくろう♪
権座を取り囲む石垣。
権座は自然にできた島ではありません。
先人が、平地の乏しいこの地でお米を育てるため、湖中の葦地を開墾し、湖底から藻をすくいあげて少しずつ少しずつ陸地を増やし、周囲を石垣で囲って作られた、人工の島です。
「生活に寄り添ったアート」を標榜するならば、この「権座」そのものが、まさしく生活から生み出された究極のアート作品に他なりません。
それにつけても、「権座」の空間とS村先生のホーミーの響きとのハーモニーは絶品でした♪