「求人開拓事業」の市場化テストで民間からの応札がなかった! どうするか?

すでに旧聞に属することになるが、3月7日に厚生労働省から「ハローワーク関連の市場化テストの落札者の決定について」、発表があった。この市場化テストでは次の3つの事業が対象となった。
1.キャリア交流プラザ事業—実施地域:北海道、埼玉、東京、神奈川、新潟、愛知、京都、福岡
2.人材銀行事業—実施地域:東京、神奈川、福岡
3.求人開拓事業—実施地域:北海道旭川地域、青森青東地域、高知中央地域、福岡筑豊地域、長崎県北地域
ところが、「求人開拓事業」では3つの地域の事業について民間事業者の応札(入札参加)がなかったのである。それは北海道旭川、高知中央、長崎県北の3地域である。
その後、再公告などをおこなったものの、応札事業者はなく、3月23日に開催された「官民競争入札等監理委員会」に厚生労働省から、結果として市場化テストによる民間委託はできないこと、それを踏まえた「当面の対応」が報告された。詳しくは下記の報告事項を参照されたい。

市場化テスト(ハローワーク)関連の落札者の決定について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/03/dl/h0307-1a.pdf
求人開拓事業に係る応札がなかったことへの対応
http://www5.cao.go.jp/kanmin/kaisai/2007/323/070323-1.pdf

結果として、4月1日からはこの3つの地域での「求人開拓事業」はできなくなっている。それは「官」の参加した「官民競争入札」ではなく、最初から民間事業者だけが参加する「民間競争入札」が行われたからである。つまり厚生労働省は、2007年度の予算は「委託料」しか用意しておらず、ハローワークが自ら事業を行うための予算はつけていなかったのである。
大失態ではないか。
厚生労働省は自ら「民間事業者の有無により、求人開拓事業の実施が影響されることは、雇用情勢の厳しい地域のハローワークにおける求人確保に支障をきたすこととなり、極めて大きな問題」と延べている。
市場化テストの仕組みを再検討すべきではないだろうか。