「史跡玉川上水保全管理計画」策定される

玉川上水は江戸時代初期(1654年)につくられ、現在でもその一部が水道施設として機能している歴史的な施設である。そのため、これまでに次のような指定がされてきた。
・1999年(平成11年) 「東京都における自然の保護と回復に関する条例」に基づく歴史環境保全地域
・2003年(平成15年) 「文化財保護法」に基づく国の史跡
その後東京都水道局は「玉川上水保存管理計画策定に関する委員会」を設置し、検討をすすめてきたが、「中間報告」に対するパブリックコメントによる意見等を踏まえ、「史跡玉川上水保全管理計画」を策定し、16日に発表した。
ただしこの計画は、「整備活用」と「管理・運営及び体制整備」については、基本方針、方向性の記述に留めているため、今後は地元自治体などと調整を行いながら、「玉川上水整備活用計画(仮称)」を策定する予定になっている。

東京都水道局 http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/
史跡玉川上水保全管理計画書
 http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2007/04/DATA/70h4g101.pdf

なおパブリックコメントには、11件の意見が提出された。しかし、そのうち2件は自治体関係者のものであったから、それを除くと9件(個人3人、団体6件)にとどまった。誰からも愛され、その保存にも関心のありそうな玉川上水の保全管理計画に対して、なぜパブリックコメントはこんなにも反応が少なかったのだろうか。
玉川上水保存管理計画策定に関する委員会からの、「中間報告」に至るまでの情報提供のあり方や、「中間報告」の配布のあり方など、課題がありそうだ。
パブリックコメント制度や手続きに関心のある方は、当センターなどから発行した「パブリックコメント手続の検証と条例策定に向けて」を一読されたい(この「事務局長のひとりごと」3月16日付に簡単に記載している)。
http://www.jca.apc.org/tokyojic/research_report/2/index.html