法定得票に届かず、1人欠員に! 昭島市の異常事態

どのような選挙でも候補者が乱立した場合、著しく得票率の低い候補者が当選順位内に入ることになる。そこで、得票率に一定の基準を設け、得票率が基準に達しなければ、当選として認められないことになっている。その基準を法定得票と通称する。

日本の公職選挙における法定得票は次のとおり。
■ 衆議院小選挙区 有効得票総数÷6
■ 衆議院比例代表 (なし)
■ 参議院比例代表 有効得票総数÷議員定数÷6
■ 参議院比例代表 (なし)
■ 都道府県知事 有効得票総数÷4
■ 都道府県議会議員 有効得票総数÷議員定数÷4
■ 市町村の長 有効得票総数÷4
■ 市町村議会の議員 有効得票総数÷議員定数÷4

昭島市は、定数24人のところ、立候補者は26人であった。22日の有効得票総数は45,201票であった。上記の算式から、45,201÷24÷4=470 となって、したがって昭島市の今回の市議会議員選挙の法定得票は470票となる。
ところが、定数最後の24番目の候補者(無所属)の得票は301票となり、法定得票にはるかに及ばない事態となった。したがって、昭島市は欠員が1生じる異常事態となった。本来、法定得票の意味は「候補者乱立による著しく得票率の低い候補者の当選を避ける」主旨なのに、乱立どころか、定数をわずかに2名オーバーするだけの少数激戦だったのだ。どうしたことか?

さらにまずいことに、昭島市選挙管理委員会のホームページでは、23日の正午になっても各候補者の得票は届け出順のままであり、法定得票や欠員1の状況はまったく掲載されていない。選挙管理委員会の公式見解もなく、新聞報道では欠員の補充選挙は来年の市長選挙にあわせたいとされているが、これはあくまで非公式のものだという。どうなっているのか?