事故情報の公開と共有—その3 六本木ヒルズ・エレベーター火災事故

さる4月4日(水)、六本木ヒルズ(森タワー)で発生したエレベーター火災について、同ビルの同型機の点検結果が昨日(26日)、日本オーチス・エレベータ株と国土交通省から公表された。今朝の新聞各紙が大きく報道したので読まれた方も多いと思う。
ただし新聞各紙によって、その扱いは多少異なっていた。1面トップの扱いは朝日と東京、トップではなかったが1面扱いが読売、社会面のトップが毎日と日経であった。幸い、「避難騒ぎ」があっただけで、けが人等がいなかったこともあって、「事故評価—判断」に各社の違いがあったためであろうか。
とはいっても、1本のロープは8束で構成されるが、そのうちの1束が破断していたということ、しかもエレベーターを管理する日本オーチス・エレベータ㈱(製造も同社)の「年1回の法定点検」と「月2回の保守点検」で、この破断を見逃していた可能性があるという「重大事故」である。

国土交通省のサイト
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/07/070426_3_.html

なお新聞でも報道されているように、今後の対応は以下のとおり。
① 森ビル㈱に対し、森ビル所有の全ビルのエレベーターの緊急点検を指示(東京都に要請)
② 日本オーチス・エレベータ㈱は保守点検している全てのエレベーター(約56000基)のロープの緊急点検を全国の特定行政庁に通知(予定)
③ 特定行政庁に対し、JISの検査基準にもとづく定期検査の徹底を周知(予定)

昨年のシンドラー製エレベーター事故があったばかりだというのに、また六本木ヒルズは自動回転扉の事故もあったというのに、日本の建築物の安全対策はどこがおかしいのではないかと疑ってしまう。