「生命(いのち)がめぐる星」(フレーベル館)—桃井和馬さんの新刊

桃井和馬さんが新刊を出した。「生命(いのち)がめぐる星」(フレーベル館:1575円)である。桃井さんはこの本の出版にあたって、次のように述べています。

<桃井和馬さんのことば>
3月に出版した「この大地に命 与えられし者たちへ」(清流出版)は、人間社会の混乱と歪みに焦点を当てた本です。今回は一転して、動物や植物を中心にした自然界がテーマです。
自然界では、一見まったく違った存在にも見える生命が、互いに関係する中で循環を作り出し、最終的には地球という生命体を形づくっています。繊細で巧妙な地球のバランス。助け、助けられる関係の中で循環する生命。しかし、それが今危機を迎えようとしているのも事実なのです。
人間の姿がまったく出てこない本。けれども、この本を読み終えると、そこに浮かび上がるのはまぎれもなく人間の姿であるはずです。
前回の本の最後の写真を、今回の本では最初の写真として掲載しました。つまりまったく別な2冊の本ですが、実は作者である私の中ではつながっていて、それを皆様にも感じていただきたいと願っています。
表紙写真はケニアで撮影したアフリカゾウの写真です。このゾウの目をよく見ると涙を流しているのですが、象牙を狙う人間によって友が殺害されることへの怒りと悔しさがその涙に出ているようにも、私は感じていました。
さて、3年近くかかった本の作成過程では、動物・植物に詳しい妻と、何度も話し合いを繰り返しました。妻とダイアローグを続ける中で、私自身、地球的な視点を持つことができ、掲載した言葉も研ぎ澄ませることができたのだと思っています。
本書が出る直前、突発した病気により妻は逝去いたしましたが、彼女の思いを、私なりにあらゆる表現活動を通じて受け継いでゆきたいと思っています。妻のことを書いた文章は「DAYS JAPAN 8月号 7月20日発売」に、私・桃井和馬との連名で掲載。また、「風の旅人 28号10月1日発売」から3回連載で「妻との最後の10日間」を掲載予定です。
今回の本は子どもたちも読めるよう、総ルビにしてあります。主要書店やインターネット書店などでご一読いただけますと幸いです。また、ブログ、かきこみ、書評、お知り合いへの紹介などで、活動を応援をしていただけますと幸いです。