広がる「市民討議会」−第5回日本プラーヌンクスツェレ研究会

プラーヌンクスツェレ(プランニング・セル)の手法を活用した新たな合意形成の仕組みが(「市民討議会」や「まちづくりディスカッション」など名称はいろいろだが)、確実に広がっている。先週5日に開催された第5回日本プラーヌンクスツェレ研究会において、多くの事例が報告された。
以下にその概要を報告する。

■ 多摩市(市民まちづくり討議会)
□ 主催:多摩市教育委員会
□ テーマ:市民が求める多摩市の図書館・図書館サービス
□ 開催日:2007年9月8日(土)・9日(日)
□ 参加者:1000名を無作為抽出、参加依頼。当日参加者、8日38名、9日35名
□ 謝礼:日額5000円
★ 提案&報告会
 2007年12月2日(日)午後1時30分〜 ベルブホール(ベルブ永山)
★ 問合せ:多摩市市民まちづくり討議会実行委員会事務局
 (永山図書館 042-337-6211)
http://www.city.tama.tokyo.jp/machi/kyodo/pubcom/toshokan_tougi.htm

■ 特別区4区(千代田区、葛飾区、墨田区、江東区)
□ 主催:(社)東京青年会議所 市民討議会推進プロジェクト
□ テーマ(4区共通):学校選択性・躾の役割分担・学校と地域の役割
□ 開催日等
 千代田区市民等議会 2007年8月25日(土) 参加人数10名
 葛飾市民討議会 同年 8月26日(日) 参加人数14名
 墨田市民討議会 同年 9月8日(土) 参加人数17名
 江東市民討議会 同年 9月9日(日) 参加人数10名
□ 無作為抽出方法(共通):無作為ポスティング
★ 2007市民討議会フォーラム〜真の地域主権型社会に向けて〜
 2007年11月13日(火)18:30〜 中央区立城東小学校
http://www.tokyo-jc.or.jp/2007/shimintougikai/index2.html

■ 立川市(たちかわ市民討議会)
□ 主催:(社)立川青年会議所
□ テーマ:駅前デッキと路上演奏・パフォーマンス
□ 開催日:2007年2月、5月の2回

■ 武蔵村山市(むらやま市民討議会)
□ 主催:(社)立川青年会議所
□ テーマ:市議会と市民の関わり
□ 開催日:2007年9月22日
□ 参加者:無作為抽出方法・無作為ポスティング(1500世帯) 参加人数8名
★ 立川青年会議所は、昨年から実施してきた「市民討議会」の効果や問題点等について、年内に報告書をまとめる予定。
http://www.tachikawajc.or.jp/

■ 町田市(まちだ市民討議会)
□ 主催:まちだ市民討議会実施事務局
□ 共催:(社)町田青年会議所・町田市
□ テーマ:昔と今の子どもの遊び〜遊びの視点からのひとづくり・まちづくり
□ 開催日等:2007年10月13日(土)・14日(日) 町田市教育センター
□ 参加者:無作為抽出 市が無作為抽出・20歳以上1100通 参加承諾56名
□ 謝礼:1.5日5000円
★ ホームページ
http://www.machida-jc.com/(町田青年会議所)
http://www.city.machida.tokyo.jp/shisei/torikumi/simintougikai/index.html(町田市)

■ 青梅市
□ 主催:(社)青梅青年会議所
□ テーマ:自治会・地域のコミュニティ
□ 開催日:6月23日、24日
□ 参加者:住宅地図から1000世帯抽出、1000通発送 参加人数20名

■ 三鷹市(まちづくりディスカッション)
□ 主催:三鷹市(三鷹市市民協働センター)、事務局:企画部企画経営室
□ テーマ:市の基本計画改定や今後のまちづくりに向けて
□ 開催日:2007年10月20日(土)・21日(日)
□ 参加者:市が1000人を無作為抽出 参加予定50人
★ 今年の開催 http://www.collabo-mitaka.jp/discussion/pdf/2007_chirashi.pdf
★ 昨年の報告書 http://181.blog37.fc2.com/

■ 静岡市(Voice of しずおか市民討議会)
□ 主催:(社)静岡青年会議所
□ 後援:静岡市
□ テーマ:どうなる地球? どうするゴミ? これってゴミ?
 〜未来の子どもたちのために考えよう!〜
□ 開催日:2007年10月7日(日)・8日(祝日)
□ 参加者:電話帳をもとに4000人をランダム抽出 参加予定34人
★ 公開フォーラム(予定) 10月23日(火)19:30〜
 今回の市民等議会の結果、手法の紹介・提案の場として設定
 http://www.shizuokajc.or.jp/civ_dis/news%20document,2007,07,19.doc

 以上ほかにも、習志野(10月6日)、日立(10月13日)、夕張(10月6日)などで計画されていることの報告があり、さらに宝塚、沖縄でも計画があるということであった。また以前このブログでも紹介したように、調布市では公募市民と無作為抽出市民との混成で「地域別まちづくり方針」を議論している(プラーヌンクスツェレ(プランニング・セル)の手法とは議論のすすめ方が異なるが、無作為抽出で市民を選ぶという新しい手法が注目される)
 研究会を主催した篠藤さん(別府大学/写真)が、「次回予定する2008年3月は、開催方法、時間、場所等を考えなければならない」といわれたように、「市民討議会」の試みは確実に広がっている。もちろん課題も多く、次回は「課題を突っ込んで議論する」ことになるであろう。