平和とコミュニティ−平和研究のフロンティア

明石書店の「平和・コミュニティ叢書」2として、本書は刊行された。編著者は宮島喬さんと五十嵐暁郎さんのお二人。四六判256ページ、本体価格2500円。
本書は、ローカル・コミュニティ、多文化共生、ジェンダー等の視点から、コミュニティの可能性を平和との関わりのなかでとらえなおそうとするもので、下記のように2部構成からなっている。
今日、高齢化・離婚の増加・晩婚・未婚などの要因によって単身世帯が急速に増加し、コミュニティの衰退が憂慮されているが、「平和を担保するコミュニティの形成は可能か」という本書の問いかけは、すぐれて今日的なものだ。
なお、第2部第1章を担当している佐野麻由子さんは、私(伊藤)の30年来の友人である佐野清隆さんの娘さんである。ご一読を!!

◆内容構成
序 「平和とコミュニティ」を問う今日的文脈(宮島 喬)
第1部 平和とコミュニティ
 第1章 「平和」と「コミュニティ」(佐々木 寛)
 第2章 グローバル化と価値・規範コミュニティ(小川有美)
 第3章 ローカル・コミュニティと平和・安全保障構想(五十嵐暁郎)
 第4章 現代コミュニティ論(松本 康)
第2部 多文化の共生へ
 第1章 ジェンダーの視点からみた平和の構築(佐野麻由子)
 第2章 人の移動と平和(宮島 喬)
 第3章 多文化共生コミュニティとは何か(佐久間孝正)
 第4章 親密圏における女性への暴力と平和(湯澤直美)
おわりに(五十嵐暁郎)