ドキュメンタリーの海へ−記録映画作家・土本典昭との対話

ドキュメンタリー映画の巨匠、土本典昭さんは今年6月24日逝去された。この本は、残念ながら生前には上梓されなかったが、そのおよそ1ヶ月後に出版された。まさに土本さんのラストメッセージである。
本著の出版元である現代書館はその「帯」に次のように書く。『学徒動員、全学連、山村工作隊、獄中体験を経て、岩波映画、「青の会」、「ある機関助士」、”1968年“から、原発、アフガニスタン、失われた90年代、”9.11“まで、そして水俣シリーズ17本の金字塔——

土本さんは「あとがき」に書いた。
「水俣を取材するとき、アフガニスタンを取材するとき、机上の計画など吹っ飛んでしまうことがしばしばだ。そこに現実のダイナミズムがあり、ドキュメンタリー映画の快楽がある」。
370ページを超える大作だが、ぜひじっくり読みたいものだ。

ドキュメンタリーの海へ−記録映画作家・土本典昭との対話
土本典昭・石坂健治
現代書館 定価3,600円+税