「品質確保」と「格差是正」—日野市が公共工事発注に総合評価方式を導入

東京都日野市は、市が発注する公共工事について、「品質確保」と「格差是正」の取組みとして総合評価方式を導入し、9月1日から実施している。
20年度は試行期間とし、建築、下水道、道路の各工事から1件ずつ、計3件をモデル事業として選定する。

■ 総合評価方式導入の経緯
(1) 公共工事の品質確保
 発注をめぐる価格競争の激化、極端な低価格入札が増加し、工事の品質低下が懸念される。建設業者の技術力を適切に審査し、価格と品質が総合的に優れた調達の実現を目指す。
(2) 「格差是正」への取組み
 低入札価格によるダンピング受注が、建設労働者の低賃金、不安定雇用を招いている。「格差是正」を入札・契約制度において具体化する。
■ 対象工事
 設計金額1000万円以上5000万円以下の工事
■ 総合評価方式の類型
(1) 一般的評価項目(国土交通省マニュアル「市町村簡易型」)
・ 過去の工事成績
・ 優良請負者表彰
・ 同種工事施工実績
・ 配置予定技術者保有資格
・ 配置予定技術者施工実績
(2) 日野市独自評価
 ⅰ)格差是正への取組み
・ 建設労働者の適正な労務単価確保
・ 市内企業への下請け状況
・ 法定外労働災害補償制度への加入
・ 退職金制度
・ 障害者雇用
・ 男女共同参画推進
 ⅱ)環境への取組み
・ 「ふだん着でCO2をへらそう」宣言
 ⅲ)地域貢献
・ 災害対策協力会加入状況
・ ボランティア活動

日野市総合評価方式導入について
http://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/1,48976,51,html
日野市総合評価方式実施ガイドライン
http://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/1,48976,c,html/48976/20080829-143639.pdf
「ふだん着でCO2をへらそう」事業(日野市の20年度重点事業の1つ)
http://www.city.hino.lg.jp/index.cfm/1,45978,170,1637,html