水制度改革国民会議が国会議員等に呼びかけてつくられた水循環基本法研究会(発足:2008年6月3日)の中間報告会が、昨日(22日)、衆議院第一議員会館会議室で開催された。
これまで、4回の研究会が開催されているが、主な討議事項、提起事項を紹介したい。
■ 水質保全から水循環〜国内の制度の限界と提案〜(稲葉紀久雄国民会議常務理事)
① 水質保全から水循環への理念の発展
② リスク決定の公開と国会の関与
③ 水質管理行政と河川管理行政の結合
④ 統一的な水質管理体制の構築
⑤ 第三者による統一的な水質監視体制の構築
⑥ 水量側面からの水循環システムとしての土地利用形態を適切に管理する制度の構築
⑦ 地球温暖化による水の偏在、異常渇水と異常洪水への対応
■ 水道事業の民営化と公共性の確保策(齋藤博康水道事業峰以下問題研究家)
① 規制組織が弱体でスタッフの専門性に問題があり、さらに事業者監督権限と消費者保護権限とを同一の人格で行うという矛盾がある。
② 消費者は、水道事業者のミスや苦情の処理を訴える公正な第三者機関を持っていない。現在「お客様センター」を設ける水道事業体があるが、これはあくまで付属機関で、中立的な第三者機関ではない。
③ 水道事業体の数は約1500だが、70%強が給水人口5万人以下の小規模な事業体で、充分な規制体制を持っていない。
■ 水道事業改革の条件(稲葉紀久雄国民会議常務理事)
① 水は「公共水=共有財」であるという視点。
② 再生資源の市場流通を含む経営システムの構築
研究会は今後も月1回程度の研究会を重ねて、年内には「水循環基本法案の大綱」および「水循環政策要綱案」を策定し、公表する予定になっている。
なお水循環基本法研究会の共同座長は次の方々である(代表は中川秀直衆議院議員)。
中川秀直(自民党)、田端正広(公明党)、家西 悟(民主党)、川端達夫(民主党)、田中康夫(新党日本)、松井三郎(水制度改革国民会議議長・京大名誉教授)。
<連絡先>
水制度改革国民会議
〒606-0806 京都市左京区下鴨蓼倉町16-20
TEL・FAX 075-722-5295(稲葉気付)
メール qqyg4fv9k@peace.ocn.ne.jp