うにを食べて、海を守ろう！〜やうち丸・杉本肇さんからのメッセージ
１０年ほど前からここ水俣の水俣漁業組合は、「水俣湾をかつての活力ある元気な海を取り戻したい」「浅瀬を海藻で埋め尽くそう」「幼魚の生まれ育つ場所、アワビやさざえの大きく育つ環境と造ろう」と「水俣湾海藻の森プロジェクト」構想を目標にかかげ、懸命に努力を進めてきた。だが、その構想は想像以上に困難を極め、簡単に海藻は育たなかった。
一方、水俣湾内で同時期に始められた海岸より離れた海面でのコンブの養殖やわかめの養殖などの生育は順調で大きな成果をあげていた。この成果をみると海水に温度や汚染が原因はなく、何か浅瀬、海岸に海藻が育たない原因があるのではないか。
その原因を探した・・・おりました。おりました。・・・磯焼け（海中に海藻が全くない状態）した浅瀬に無数の「ガンガセウニ」。今までその存在に気づいてはいたが、これが海藻の芽を食べつくし、磯焼けの原因を引き起こしているとは分からなかった。この「うに」は、すし屋などで食される「馬糞うに」や「紫うに」と違い、長いとげに毒があり、触れるととても痛い。
この製品化を考えて商品の試作品を作ったが、日持ちする塩漬けで販売することにした。この商品が流通すれば、１件当たり１日２０ｋの「うに」を採取した場合、年間４ｔもの「うに」を駆除でき、水俣の漁業者の大きな副収入になると考えた。そして目標に掲げた「海藻の森プロジェクト」は、今まで駆除のためのダイバー費用を払わず理想に近づくことになる。
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やうち丸・杉本肇
熊本県水俣市袋2501-150
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（写真は、塩雲丹の写真）
