身延町役場政策室の赤池室長に話を伺いました
東京自治研究センターの今年の「まちづくりウオッチング」は山梨県身延町。理事・事務局6人と議員会員5人の11人で大変有意義な「ウオッチング」でした。
最初に身延町役場におじゃまし、赤池義明政策室長から「町づくりの課題と特徴意的な事業」について話を伺いました。現在の身延町は、平成16年9月に旧下部町、中富町、身延町の3町が合併し、新生身延町が誕生しました。森林が約8割を占める中山間地で、南に日蓮宗総本山「身延山」、東に富士五胡の1つである本栖湖、ちょうど中間地点にある下部温泉郷などを中心に町づくりをすすめています。平成19年3月には第一次身延町総合計画を策定しています。
みのぶ のびのびガイドブック
3町が合併したために、当面する課題の1つがそれぞれの旧町を知りあうこと。そこで「のびのびガイドブック」が発行されました。
旧町それぞれに下部町編3冊、中富町編3冊、身延町編3冊にまとめられ、それにふぉっとポエム「みのぶの自然」という簡単な写真集と地図がついたもので、ハードカバーにまとめて入れられています。
右のコピーは下部編のうちの1冊です。表紙だけでなく中身もモノクロの挿絵がついていて、「ぬりえにチャレンジ!」できるように工夫された意欲的な冊子です。編集したのはNPO法人「つなぐ」で、国から補助金がでているそうです。
空き家バンク設置−空き家情報登録制度
町づくり事業をすべて紹介することはできませんが、2つ紹介したいと思います。1つは空き家バンク設置−空き家情報登録制度です。この事業の特徴と目的は次の3点にまとめられます。
1 年ごとに増加する空き家の有効活用を図ること。
2 都市住民との交流と定住を促進すること。
3 地域の活性化を図ること。
この空き家情報登録制度は山梨県全体で18年度から始めたもので、その設置要綱は下記のPDFでみることができます。
http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/akiya/akiya_seido.pdf
ただし身延町では、登録者(提供者)2名、利用登録者(利用者)3名ということで、制度の活用はこれからの課題でもあるようです。
みのぶ乗合タクシー事業
都市部では「コミュニティバス」が、武蔵野市の成功に刺激されて各地で取り組まれています。中山間地の身延町は65歳以上人口が36.6%(平成21年7月現在)という高齢社会の中で、みのぶ乗合タクシー事業が行われています。
全国町村会の町村Naviに簡単な紹介記事があります。
http://www.zck.or.jp/letter/H20/2657_02.html 現在は「路線運行」方式といって、あらかじめ決められたコースをダイヤに従い運行するもので、「登録制」「予約制」をとっています。現在の登録者は1034人、実際に利用した人は274人だそうです。今年10月からは「デマンド」方式という、利用者からの予約電話によってコースや時間を決める運行も新たに開始する計画になっています。