平成20年度特別区、市町村普通会計決算の概要

さる9月4日、東京都総務局より特別区と市町村それぞれの普通会計決算の概要が公表された。

平成20年度特別区普通会計決算の概要
○平成20年度の特別区の決算規模は、前年度に比べて歳入は4.9%の増、歳出は1.9%の増となり、歳入は6年連続の増、歳出は5年連続の増となった。
○決算収支では、実質収支が0.6%増の1,212億77百万円となり、昭和53年度以降31年連続して全団体黒字となった(表1・表10)。
○財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、分母である特別区財政調整交付金及びその他の各種交付金の減などにより、0.8ポイント増の76.1%となっている(表2)。
○一方、将来にわたる財政負担は、特別区債現在高が8.0%の減、積立金現在高が11.4%の増となったことなどにより、前年度から大幅に減少し、マイナスの値となった(表3)。
○特別区の平成20年度の財政状況は、前年度に引き続き良好である。
○しかしながら、特別区は景気変動の波を受けやすい歳入構造となっており、昨年秋以降の景気の急速な悪化は、今後の特別区の財政に大きな影響を及ぼすと見込まれる。
○また、小中学校をはじめとした公共施設の改築需要や、少子高齢化の進展に伴う今後の扶助費の伸びなども勘案すると、今後の特別区財政の見通しは、決して楽観できる状況にはない。
○特別区においては、景気の悪化による影響を最小限に食い止めつつ、緊急に取組むべき課題にも的確に対応できるよう、引き続き行財政改革に取り組んでいくとともに、近い将来の歳出増・歳入減要素も十分に勘案した上で、より計画的に財政運営を行っていくことが求められている。
概要全文
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2009/09/DATA/70j94100.pdf

平成20年度市町村普通会計決算の概要
○平成20年度の東京都市町村(26市5町8村)の決算規模は、前年度に比べて歳入は4.1%の増、歳出は0.3%の増となり(表1)、歳入歳出ともに5年連続の増となった。
○決算収支では、実質収支が12.6%増の340億79百万円となり(表1)、昭和53年度以降31年連続して全団体黒字となった。
○財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、地方税の減及び扶助費の増などにより、0.4ポイント増の91.7%となった(表2)。
○一方、積立金現在高は2.6%減少したものの、地方債現在高及び債務負担行為翌年度以降支出予定額がそれを上回る減少となった結果、将来にわたる財政負担は、前年度に比べ3.1%減少し、8,877億83百万円となった(表3)。
○市町村の平成20年度の財政状況は、昨年秋以降の景気の急速な悪化により地方税は減少に転じ、経常収支比率は2年連続で悪化するなど、依然として財政構造が硬直化した厳しい状況が続いている。
○今後、景気低迷による歳入面での更なる影響が危惧される中、扶助費の増加や老朽化した公共施設の更新などに伴う歳出増は避けられない情勢である。引き続き行財政改革に取り組むことにより、一層効率的な財政運営を実現することが求められている。
概要全文
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KEIKAKU/2009/09/DATA/70j94200.pdf