公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)の東日本大震災ニュースリリース vol.14( 2011年4月5日発行)です。
本リリースの印刷用PDFデータ▽
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当会の被災者支援活動について▽
http://sva.or.jp/eru/tohoku/project/
アジアの子どもたちへの教育・文化支援を行っているSVAは宮城県気仙沼市を中心に炊き出しや物資配布を行うとともに、子どもたちの心のケアとなる活動を行う予定です。
4月4日、岩手県陸前高田市の避難所である長部小学校にて聞き取りを行いました。明日からは気仙沼市の避難所や児童館を回る予定です。
■「今、やっと涙が出るね」
岩手県陸前高田市の避難所の一つである長部小学校。高台にあるこの学校には、陸前高田市今泉地区の人々が避難しています。今泉地区は沿岸部に位置していたため、津波の直撃を受けました。
「地震の後、海の方を見たら……色は、何と言っていいかわからないけど、向こうの方に山があったんだよ。その山の塊が、襲ってくる感じだった」、「一生懸命走って逃げた。後ろに心臓の悪いおばあさんがいたんだよ。助けてくれ、といって差し出された手。でも、何も出来なかった。私は自分が生きるために必死で走ったんだ」、「おばあちゃんとお嫁さん、そして孫が一緒に逃げていたら、そこを津波が襲った。お嫁さんが子どもを抱え、おばあちゃんの手を取って木につかまり津波に耐えていた。でもおばあちゃんは自分でお嫁さんの手を振り切って、津波に飲まれていったんだ。子どもを守りなさいって」。
避難所で輪になり話をしていたら皆さんが、口々に自分や周り人との体験を語ってくれました。2時間くらい話をして学校を去る時、1人のおばあさんが玄関まで見送ってくれました。そのおばあさんはデイケアセンターにいたおじいさんとまだ連絡がついていません。「生きていると聞いているけどね。自衛隊が、今日も遺体を5体見つけた、昨
日は何体だと聞くと、辛いね。昨日、知り合いのお葬式に行ったけど、3週間も経っていたら、顔も変わってしまっていた」と玄関越しでも話をしてくれたおばあさん。「今……やっと涙が出るね」そう小さな肩を震わせながら言った、おばあさんの目には大粒の涙が流れていました。
震災からもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。陸前高田市は今日もなごり雪が舞いました。寒空の中、まだ緊張が続く生活を余儀なくされている被災地の方々の心が少しでも解けるように、SVAは時間をかけて向き合っていきます。
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津波に飲み込まれた場所に群がるカモメの大群↓
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津波の影響で陸地にはサンマが打ち上げられていた↓
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■子どもは、元気の源
長部小学校に避難しているお母さん方に話を聞きました。お母さん方は、子ども向けに届いたという物資の仕分けをしていました。その箱の中には、中古のおもちゃが入っていました。また2歳の子どもを持つお母さんは、「地震の後、子どもが怖がってよく泣くようになりました」と泣く子をあやしながら語ってくれました。
子ども向けに必要なものを聞くと、この春小学校を卒業した子どもがいるお母さんは、
「小さい子ども向けのものは届くのですが、小学校高学年向けのものはありませんね」
と話をしてくれました。保育園に子どもを通わせているお母さんは、「保育園が津波で廃園状態です。子どもはお友達を心配しているようです」と話してくれました。
その避難所の皆さんが口をそろえて言うのは、「子どもは、元気の源だよ」ということ。子どもが笑うと、大人も笑顔になります。SVAは、その子どもたちが笑顔になるプロジェクトを形成していきます。
1981年にSVAはカンボジア難民キャンプで絵本の出版と配布、図書室の運営をしました。絵本を手にした子どもたちの顔には笑顔が戻ってきました。「子どもが笑うと、大人が笑う。大人が笑うと、村全体が元気になる」と言った難民キャンプの人たちの言葉と、今回避難所にいるお母さん方から聞かれる言葉とは、相通じるところがあります。
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■復興焼きそば
陸前高田市から北にある大船港に向かう途中に、「復興焼きそば」の文字を発見。カキを育て、販売していた漁師が出した店です。「カキも流されてしまったし、タネも残っていない。うまくいったとしてもカキを出荷するには、あと3年かかる。3年後またここに来て、三陸のカキを食べてほしい」と言うご主人。時間はかかるが港を復興させたいという思いを、漁師の皆さんは持っています。
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■未曽有の災害に対して、一人でも多くの方のご支援ができますよう、緊急救援募金にご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
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