漁師町のお母さんたち−東日本大震災ニュースリリース vol.17

 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)発行のニュースリリースの転載です(2011年4月8日発行)。

本リリースの印刷用PDFデータ▽
http://sva.or.jp/press/20110408.pdf
募金ページ▽
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ホームページ▽
http://sva.or.jp/eru/tohoku/
当会の被災者支援活動について▽
http://sva.or.jp/eru/tohoku/project/

■宮城県気仙沼市本吉地区の調査をしています
 気仙沼市の南部にある本吉地区の全避難所を回り物資配布やニーズ調査をしています。どの避難所からも「入浴をしたい」という要望が上がっています。市や近隣の温泉がバスを出し入浴ができるようになっていますが、数週間に一度というところもあり、定期的にお風呂に入りたいということでした。
 気温が上がっている中、粉じんも上がり、花粉も飛んでいます。「皆が大変なんだから、大丈夫だよ」と口では言いながら、髪を気にするお母さん方がいます。また、お米はあるけどおかずとなる食材が限られている中、野菜と調味料(ケチャップ、マヨネーズなど)が求められていました。
 気仙沼市のお母さん方は、一度ご主人が漁に出ると数週間から数カ月戻ってきません。そのためなのか、この状況下でも、明るく、パワフルです。「何かやりたい」といって避難所からボランティアセンターに来てボランティア登録をするお母さん方もいます。このような地元の皆さんと一緒にできる活動を考えていきたいと思っています。

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■仮設住宅と長期化する避難所生活(写真は陸前高田市の仮設住宅)

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 岩手県陸前高田市では仮設住宅の建設が行われています。校庭に仮設住宅が建設予定の小学校の先生は、「体育館は物資倉庫、校庭は仮設住宅が建つので子どもたちの遊び場はなくなりますが、仕方がないですね」と語ってくれました。
宮城県気仙沼市本吉地区の避難所にいる人たちは「この地区はがれきの撤去が進んでいないので、仮設住宅建設のめどがたちません」と言っていました。このように仮設住宅はがれきが撤去されないと建設を行うことができません。
 避難所のリーダーは「ここの避難所には280人いますが、7〜8割は津波で家が全壊しました。今後仮設住宅がどうなるのか分かりません。私は皆に、ここでの生活は1年続くかもしれないと伝えています。子どもたちもここから学校に通うことになるでしょう」と言っていました。子どもたちの遊び場作り、余暇の時間を有意義に過ごすプログラムが求められています。

■大震災に負けずがんばろう
 がれきの中に通った道は、車がすれ違うのも一度停止して、対向車を見ながらゆっくりと進まなくてはいけません。その道沿いに、町内会の人たちが書いた寄せ書きがありました。その中に「けんか七夕を復活させるのはオレだ!!」と書かれた寄せ書きがありました。祭りはその地区の人たちが楽しみにしているもの。
 SVAは阪神淡路大震災の際、復興時の活動として祭りを開きました。東北は、村々に祭りの文化が残っています。その文化がこの震災でなくならないように願っていますし、何かお手伝いができればと考えています。

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■春が来ています
 震災が起こってから3週間は雪が降り冬に戻ったような天気が続いていました。ここ3日間はあたたかくなり、春の兆しが感じられます。がれきの中からフキノトウが顔を出しています。木のつぼみは日に日に膨らんでいます。
 ただ海の方に行くと、潮の香りと一緒に、腐ったにおいがしています。打ち上げられた養殖のカキやサンマなどがいたるところに転がっています。心から春が来た喜びを感じられるのはいつになるのか、フキノトウを見ながら考えてしまいました。

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■未曽有の災害に対して、一人でも多くの方のご支援ができますよう、緊急救援募金にご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

▽クレジットカード(MasterCardとVISAがご利用いただけます。)
http://sva.or.jp/donate-t/

▽振込先の口座番号 
口座番号:00170-8-397994
加入者名:SVA緊急救援募金 
*郵便振替用紙に「東日本大震災募金」とご記入ください。

■本件に関するお問い合わせ先
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)
〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2、3階
Tel:03-6457-4586
FAX:03-5360-1220
E-mail:pr@sva.or.jp 
担当:鎌倉
http://www.sva.or.jp/