劇場型首長の戦略と功罪−地方分権時代に問われる議会

 ミネルヴァ書房から標記の著作が刊行されました。田中康夫、東国原、橋下徹、河村たかしなどの施政を検証しながら、相互比較も試みられています。

◇ ミネルヴァ書房刊 本体2800円
◇ 著者 有馬晋作(宮崎公立大学教授)

まえがき
序 章 劇場型首長とは

 1 劇場型首長の定義
 2 劇場型首長を分析する意義
第1章 首長の変遷と首長選挙
 1 首長の変遷
 2 タレント知事の変遷
 3 劇場型タレント知事と劇場型市長の登場
 4 2011年の統一地方選挙——課題と注目される劇場型首長
第2章 テレビ政治と劇場型首長
 1 テレポリティックス以前の状況——1980年代まで
 2 日本でのテレポリティックスのスタート——1900年代以降
 3 小泉政権以降——テレポリティックスの転換点
 4 本格的テレポリティックスの時代と劇場型首長
第3章 田中康夫長野県政
 1 一期目(2000年10月~2002年8月)の概要
 2 二期目(2002年9月~2006年8月)の概要
 3 長引く県内での対立と知事支持率からみた県政
 4 三期目に向けての知事選の落選
 5 田中県政の全体像とその後
第4章 東国原英夫宮崎県政
 1 東国原県政の任期前半の状況(2007、2008年)
 2 東国原県政の任期後半の状況(2009年2月~2010年1月)
 3 全国一位の高い支持率
 4 改革の実態
 5 東国原県政4年と二期目不出馬
 6 東国原県政を振り返って
第5章 橋下徹大阪府政
 1 橋下府政スタート
 2 大阪維新プログラム
 3 橋下府政の政策体系
 4 議会との対立とWTC府庁移転構想
 5 地方分権への取り組み——国との対立
 6 劇場型のメディア戦略と高い支持率
 7 大阪都構想と大阪維新の会
 8 注目される橋下府政の動向
第6章 劇場型タレント知事の相互比較
 1 田中康夫知事
 2 東国原英夫知事
 3 橋下徹知事
 4 三人の知事の共通点と相違点
第7章 劇場型市長の実態と相互比較
 ——河村名古屋市長と竹原阿久根市長
 1 河村名古屋市長(2009年4月~)
 2 竹原阿久根市長(2008年8月~2011年1月)
 3 二人の市長の比較
第8章 地方分権と劇場型首長
 1 地方分権の歴史
 2 第一次分権改革の内容と現状
 3 第二次分権改革の内容と課題
 4 道州制の仕組みと展望
 5 地方分権と劇場型首長
第9章 劇場型首長の戦略と功罪
 1 ポピュリズムとしての劇場型首長の戦略
 2 劇場型首長の戦略の相互比較
 3 劇場型首長の功罪
 4 劇場型首長に対する危惧と対応策
第10章 劇場型首長に対する議会のあり方
 1 二元代表制の趣旨
 2 議会の現状
 3 劇場型首長に対する議会の責任
 4 地方分権時代の議会改革
終 章 劇場型首長からみえてくるもの
 1 劇場型首長の分析と対応策
 2 劇場型首長の最近の動向と危惧
 3 今後の地方自治と国政の方向性
あとがき、参考文献