「お菓子の木」[お菓子の家」などと聴くと、今でもわくわくします。
小さな頃、「ヘンゼルとグレーテル」のお話を読んでは、食いしん坊の私は、いいな〜お菓子の家にいけたんだ〜と、とっても羨ましく、童話の世界に憧れたものでした。
ヘンゼルとグレーテルの辛い境遇よりも、あのころは、お菓子の家ってどんなだろう??たべたいな〜。そればかりを考えていた私です。
そんなお菓子への憧れと戦時中の親子の切ない愛のお話、「焼跡の、お菓子の木」という童話をご存知ですか?
野崎昭如さんの『戦争童話集』(中公文庫)に収められている12の童話の中の最後のお話がこの「焼跡の、お菓子の木」という作品です。
この本は、先日半年振りに再会した、友人のSさんからプレゼントされた本です。Sさんは、この童話をすっかり覚えて、3月の終わりに私に話してくださることになっていたのですが、震災があり、その後落ち着かない日々が続いていたこともあって、長い間会うことさえ叶いませんでした。
それが、先週、ようやく再会できて、一緒にランチを楽しむことができたのです。芝生と桂の木の美しい庭のあるレストランの窓辺でプレゼントされたのが、この「焼跡の、お菓子の木」が含まれている文庫本でした。
この本の12の童話はどれも書き出しが同じです。
「昭和二十年、八月十五日」
すべてのお話は、そこから始まります。
この童話を書いた野崎さんは、「戦争でひどい目に遭うのは、生物として生きる上で弱い立場のもの、人間、動物、植物すべて、戦争において、殺される側。」
として、この童話の主人公は子どもや鯨や像や虫たちです。
一作目は、「小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話」で、このお話をまとめたことがきっかけとなって、童話をつぎつぎと創作したそうです。
この本をSさんからプレゼントされた翌日、7月に知り合ったばかりの友人Yさんと新小岩で待ち合わせて一緒にお昼をたべました。
美味しいタイ料理を食べながら、何気なくYさんの誕生日を聴いてビックリ!!
彼女は8月15日生まれでした。
二日連続で八月十五日という日付と出会い、何かが私に迫ってきたような気がして、畏敬の念さえ覚えたほどです。
人との出会いそのものに、大いなるメッセージがこめられていることを感じます。
いのちについて深く深く考える日が続いています。
三月十一日と八月十五日。
決して忘れてはいけない、忘れることなどできない、大切な日です。
生きていることの意味を、生き残った者としてのこれからの役割を、謙虚な気持ちで静かに考えたい。そう思っています。います。
☆世界中の人々が幸せでありますように☆
争いや暴力が地球上から無くなる日が、必ず来ることを信じて。
悲しい出来事からも光を見出す勇気と力がいつも与えられますように。
いつも喜び、絶えず祈り、どんなことにも感謝できる私になれますように。
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