さだまさしさんが好きで、以前買っておいた本『本気で言いたいことがある』(新潮新書)をどこかに置いていたことをふと思い出しました。
たしか、あの本には、「出し惜しみしない・・・」という内容のことが書かれていたのでは。
本箱を探してみたら、ありました。ありました。
この本の第六章に、「惜しまない」から始めよう
というタイトルがついています。
そして、書き出しはこんな風です。
「日本というのは、変な風に優しい国だな、と思うことがあります。たとえば、目の不自由な人のために音の出る信号機。こういう発想はとても暖かくて好きなんですが、あるとき外国人の友人に言われました。
「日本人は本当のところ、親切なのか不親切なのかわからない。何もあんたことをしなくても、誰かが手を引いてあげれば済むことなのに」
そう言われて、なるほどと思った。その通りですねからね。
障害者自立のためのサービスの一つではあっても、これは、ある意味では手間を惜しんでいるということなのかもしれない。
「コミュ二ケーション」という手間を惜しんでいる。
今の日本人に一番欠けている言葉は、「惜しまない」ではないかと思う。みんな、何故色んな事を惜しむんでしょう。
(109〜110ぺージより)」
その後に書いてあるのは、彼がいつも自分に「惜しむな惜しむな」と言い聞かせてステージに立っているということ。そして、その日もっているものは、全部ポケットから出すようにして、「明日にとっておこう」なんて考えないで全力を注いで演奏にとりくんでいることなどです。
それに関連して、面白い「お弁当」のたとえがあったので、紹介しますね。
「エネルギーは弁当と同じ」というタイトルで書かれている箇所です。
「僕らのエネルギーというのは弁当と一緒なんです。明日までとっておいたからって、明日食べられるわけじゃない。今日の分は、しっかりその日のうちに味わっておかないといけない。」
これを読みなおして、自分を振り返ってみました。
ボーカルれいこは、今、ついつい「惜しむ」方向に向かっているかもしれないな〜と。
昨日のブログに書いた、お雑煮作りの時の「惜しむ」行動にも、その惜しむ方向に向かっている気持が反映しているのでは・・・と。
島田療育センターでのベッドサイドアカペラコンサートも、2カ月目に入りました。
行き当たりばったりではなく、自分で30分のプログラムを考えて取り組んでいます。
毎回出会う利用者さんは同じ方ではなく、職員の方も変わります。だから、同じ席に同じ人が揃うことはもう二度とないのだという気持ちで取り組もう。
すべてのステージは1回しかないことをもっと肝に銘じて準備しよう。
「今日会った人とは死ぬまで会うことはないかもしれない。そう考えると惜しんでいる暇なんかない」という、さださんの切実な想いと全力を注ぐ生き方に、少しでも近づきたい。
「この曲は来週にしようかな」とか、「これは来月にとっておこう」のような、惜しむ感覚が演奏中に生まれないように、いつもこのステージは一回きりなのだと、さだまさしさんのように、謙虚に、情熱をもって、「惜しむな惜しむな」と自分に言い聞かせながら取り組みたい。
この本を久しぶりにひもといて改めて思いました。
さださんは、こんな風にも言っています。
「こんな有り難い仕事をしている人間が惜しんじゃダメなんです。そして、惜しむほどのものを持っているのかお前は、と自分で自分をあざ笑うんです。」
本当にそうだな〜。
惜しむほどのものを持っているのかお前は。
謙虚に謙虚に。
すべては天からいただいたもの、すべては天からお預かりしたもの。
そう考えて肩の力を抜いて、素直に歌いたいです。
『本気で言いたいことがある』は、さださんが、これから日本で生きて行くこの国の「子供たち」にこれだけは言っておきたいと考えたことを書いた本です。
その執筆の背景にはさださんが、インド独立運動の指導者だったネル—首相が獄中から娘にあてた手紙をまとめた書簡集『父が子に語る世界史』に感動したことがあったようです。
本当に伝えたいことがあって、ステージからそれをこの国の人々に伝えたくて全国ツアーをしているとも書いていました。
2006年に出された本ですが、普遍的な内容が書かれていて、しかも分かりやすくて具体的で、そして熱い本です。
ボーカルれいこは、2011年に沢山の本を処分したけれど、いくつか残っている本の中に、この『本気で言いたいことがある』が含まれていたというのも、きっと今日の出番を待っていてくれたからなのかもしれません。
よーし!!振り向いてばかりいないで、がんばろう!!
ではでは、今日も惜しまみなく生きていきます!!
あなたもどうぞ良い一日を!!
愛をこめて☆☆
☆(*^_^*)☆
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