☆(*^_^*)☆「あなたに聴いてもらうために歌う」から「あなたの喉となって歌う」へ

たまたま観たテレビ番組

「きらっと生きる」というNHKの番組でした。

そこには頸椎損傷によって人工呼吸器を使って生活しなければならない方々の日々の楽しみや困難が、ありのまま描かれています。

その番組では池田さんとおっしゃる男性が、ヘルパーさんの介助によって外出する様子が伝えられていました。

行き先はカラオケボックス。同じ障害のある友人と落ち合って、一緒にカラオケを楽しぬという場面が映し出されました。

池田さんは、交通事故によって頸椎を損傷して、人工呼吸器に頼らざるを得ない状態になったそうですが、その当初は話すことはもうできないだろうと主治医から言われたそうです。

それでも、池田さんは自分で訓練し続けて、6年もかけてようやく歌を歌えるようになったのでした。

池田さんの前向きな生き方、楽しそうに歌を歌う表情を見て、ボーカルれいこは島田療育センターの利用者の方々を思い浮かべました。

今まで私は利用者の方のために歌うという場合、聴いていだだくために歌ってきました。

でも、これからは聴いていただくということを越えて、歌を歌うことが困難な方の喉として、その方と共に歌うという姿勢で取り組んでみようと思います。

同じ歌うという営みでも、自分の体を使って、その方になりかわって歌う。

これまでは、利用者の方の好きな曲を歌うのは、その方に聴いていただくためでした。聴くことで楽しんでもらえると思っていたのです。でも、もっと深く楽しんでいただくには、歌う側が、その方の喉となって歌うという姿勢があれば、共に歌うことが可能になって、さらに一体感が増すのでは・・・と考えたのです。

リクエストにお応えすることは、その方と一緒に歌う、その方に代わって声を出すという意味で捉えられたら、きっとこれまでにない心の交流が、その協働作業によって生まれるのではと思うのです。

障害があるために声を出せない方、歌を歌うこと自体が不可能な方のために、自分の喉を使って、その方の体の一部となって曲に共に命を吹き込むこと。

それがベッドサイドコンサートの意味なのかもしれない。それができたら素敵だなあと思うのです。

だから、これまでは、利用者さんの手や腕などをトントンしたり握ったりしながら歌っていましたが、これからは、その方の体の一部になるつもりで体に触れたら、きっと何かちがう響きが生まれるのでは、とまた楽しみが膨らみます。

「あなたに聴いてもらうために歌う」から「あなたの喉となって歌う」への転換。

偶然観たテレビ番組からこの気づきが与えられたことに、

心から感謝します☆(*^_^*)☆

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