23日ごろから、ずっと考えていました。
4月のコンサートは、何のためにやるのか・・・って。
練習の度に自問自答して、なかなかそれが掴めず悶々としていました。
でも、それが今日の練習で見えてきました。
なぜ、演奏するのか。
それは、1年前の震災,、津波や原発事故の悲惨さから受けた傷をいやすためなのだと。
そしてそれは、誰の傷なのか。
癒されたいのは、ほかならぬ私自身なのだと。
私自身の中にも癒えずに残っている,私自身の中の傷があるとわかりました。
地震も津波も原発事故も、遠い場所、遠く離れた故郷東北を襲った出来ごととしてこれまで捉えてきたような、
どこか自分が被災者ではないことに後ろめたさを抱えて過ごしてきたけれど、
私自身もあの日の悲しいできごとに、今でも深く深く傷ついていたことを、ようやく今日受け入られたように感じた瞬間がありました。
それは、「千の風になって」を練習していた時のこと。
声が伸びやかに出ない・・・というよりは、この曲を歌うこと自体に自信がもてない。
だから迷いがある。
なぜ自信がもてないのか、なぜ迷いがあるのか、自分でもわからないまま手探りで繰り返し歌っていました。
何度か「あの大きな空を〜」を歌っていた時、津波で亡くなった多くの方々の悲しさと、生き残った私たちへの天国からの温かなまなざしを強く感じたのです。
その瞬間、涙がとめどなく溢れてきて、止まりませんでした。声も上ずってうまく出ません。
震災前から歌ってきたこの曲。
でも、震災後は、この曲の意味合いが以前とは全く違うものに変化したことを知った瞬間でした。
これ以上詳しくは今の心情を言葉で記すことはできないけれど、この曲を歌うことで私は、津波によって命を落とされた沢山の方々とどこかで繋がれたような実感がありました。
日本に生きる私たちを、その方々はいつも天国から応援して導いてくださっている。
だから「あの大きな空を 吹き渡っています」の言葉を信じて、私たち生き残った者は、去年3月に起こった出来事を、誰にもはばからずに悲しんで、嘆いて、泣いて、怒って、そして、泣きながらでもいいから立ち上がって、希望をもって前に進んでいこう。
この曲を上手には歌えない。
だからこそ、素直に歌おう。
そんな風に今は思えるようになっています。
これもある大きな力で導いていただいているからなのかもしれません。
「千の風になって」は、天国から応援してくださっている方々と繋がりながら歌いたい。
そう願っています。
☆☆
「アルビレオコンサートページ」にコンサート情報が掲載されています。
ぜひ4月27日金曜日の19:00、いらしてください。