ヴォーカルれいこは、多摩市内で開かれたある夕食会に参加者の一人として加わりました。
子どもたちの「今」と「未来」について熱く語り合う会です。
和やかに談笑した後、そろそろお開きの時間が近づいてきました。
このまま、お話だけで終わるのはもったいないような気がして、最後に皆さんに「BELIEVE」を歌いませんか?と提案してみました。(実は歌詞を持参していたのです)
「BELIEVE」を知っている人はあまりいないだろうと思っていたのですが、意外や意外、半分以上の人たちが皆よく知っていて、穏やかな雰囲気の中での大合唱となりました。
ヴォーカルれいこは、この歌をみなさんと一緒に歌いながら、今日の夕食会の中で紹介された一つのエピソードを思い返していました。
それは、会のメンバーの一人のOさんが、児童館の子どもたちと野球をして遊んでいた時のことです。
5年生がピッチャーで、Oさんはキャッチャーになりました。バッターボックスには1年生が入ります。
ピッチャーが投げたボールを、Oさんがキャッチします。
5年生のピッチャーはストライクゾーンにボールを投げてきました。
1年生はバットを振りますが、ボールをバットに当てることができません。空振りです。
それでも、キャッチャーのOさんは、「ボール」といいます。
また5年生のピッチャーが投げました。どうみてもストライクゾーンにしっかり入っています。
1年生はまた打つことができませんでした。
ボールをキャッチしたOさんは、また「ボール」と言いました。
「どうしてストライクなのにボールっていうの?」とOさんに尋ねると、Oさんはこう答えたそうです。
「1年生が打てるボールを投げられないうちは、ストライクなんかじゃない」
野球という遊びの中でさえも、年上の子が、年下の子に優しい心で接することの大切さをOさんは教えていたのでした。
だから、1年生が打てないボールを投げているうちは、「ストライク」とは認めなかったのです。
このエピソードを聴いて、
愛のある行ないが自然にできる人になるように、Oさんは子どもたちを導いていたのだと分かりました。
本当に強い人とは、思いやりのある人なのだということを、Oさんは、子どもたちに遊びの中ではっきりと示していたのです。
「やさしい人」になることはもしかしたら、一番難しいことなのかもしれません。
本当にやさしい人って、自分の名誉や満足を優先するのではなく、今向き合っている人が幸せになれるようにという願いをもって、自分の役割に徹することができる人をさすのだと思うのです。
子どもたちが本来持っている、やさしさや思いやりの心が、大きく育つようにするには、日常の何気ない場面で、まず私たち大人が、人に対して思いやりの心をもって行動することが何よりも大切なのだということを改めて考えさせられたエピソードでした。
Oさんのこのエピソードを紹介したMさんの瞳には、涙が光っていました。Mさんの感動がまっすぐに伝わってきた、心うるむひとときが生まれました。
思いやりや優しさは、こんな何気ない、真実を通して人に伝わり、心に残るものなのですね。
☆(*^_^*)☆
追伸:☆アルビレオ☆のコンサートページへのアクセスは、「がんばれ日本!がんばれ東北コンサート」というキーワードで検索していただくと簡単です。ためしてみてくださいね!!